78~運命のカード

ルカ(聖夜月ルカ)

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 「騒々しいな、何事だ。」

けたたましい足音…そして荒々しく扉を叩く音に、リガスは眉をひそめた。



 「リガス様!た、大変です!」

 「ど、どうした!?」

リガスは、扉の目に立つ男の服に、赤い血がついているのを見てとった。



 「リガス様、こちらへ!」

ただならぬ雰囲気を感じ取り、男の後について、リガスは走り出した。



 行き着いた小部屋には、リガスの見知らぬ若い男がおびただしい血を流し、数人の男達に見守られながら横になっていた。
 白くなったその顔色からも、その男がおそらくもう助からないであろうことをリガスは直感した。



 「クレタス…リガス様が来られたぞ!」

その声に、クレタスは震える手を差しのばし、リガスはクレタスの傍に近付いた。



 「リ、ガス…様…」

 「しゃべるな!
 今、すぐに医師が来る。」

 「赤い…く…も……」

クレタスは苦しい息の中、懸命にその言葉を口にした。



 「な、なんだと!?」

 「ネ……ネス……」

なにかをいいかけたクレタスの口から、赤黒い血が吐き出された。



それを最後に、クレタスの腕から力が抜け、彼の命の灯火は唐突に消えた。



 (赤い雲…まさか、マウリッツ様の帰還の合図であるあの赤いのろしのことなのか…
ネス…とは……もしや、この男の殺害にネストル様が関わっているということなのか…!?)



 「テリス…この男は?」

リガスは、男の耳元で囁いた。



 「はい、以前、リガス様がご依頼された赤い雲の確認作業についていた者でございます。」

 「やはりそうだったか…
それで、クレタスにはなんと説明してあったのだ?」

 「私も詳しいことはお聞きしておりませんし、赤い雲を発見したらすぐさまこちらに知らせるようにと…ただそれだけですが…」

 「そうか…テリス、この者を手厚く葬ってやれ。」

そう言い残すと、リガスはその場から姿を消した。
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