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涙する二人
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「ニコラス様、あそこに…!」
「あ…赤い雲…!」
早朝の空に、赤い雲が浮かんでいるのを、ニコラスとヴァシリスはみつけた。
「ヴァシリス!すぐに、リガス様に…」
「待て!」
突然、目の前に現れたネストルとジャーメインに、ニコラスは動揺した。
「どういうことです?兄上。」
「このことには関わるな。
私が然るべき方にちゃんと報告する。」
「いえ、私はこのことをリガス様に報告せねばなりません。」
「おまえもしつこいな!
私の言うことが信じられないのか!?」
ネストルはずいぶんと苛立っているようで、彼のこめかみには青い筋が浮き上がった。
「信じるとか信じないとか、そういう問題ではありません。
僕は、僕の任務に忠実であるだけです。
ヴァシリス、行け!」
「はっ!」
「ジャーメイン!」
「はっ!」
ヴァシリスとジャーメインは、その場から掻き消えた。
ジャーメインがヴァシリスの後を追ったことは容易に察しがついた。
ヴァシリスのことが気にかかりながらも、もはやニコラスには何も出来なかった。
「本当におまえは愚か者だ…」
ネストルは腰の剣を引き抜いた。
「兄上…!実の弟に刃を向けられるのですか!?」
「実の弟だと…?
確かにな…だが、半分だ。
私はお前とは違う…」
ニコラスは、唇を噛み締めた。
その間にも、ネストルはじわじわと間合いを縮める。
「そうか、おまえも知っていたのだな。
それも当然だな。
私とおまえとは似ていない。
おまえは、私より何もかも劣っておる…」
「兄上…なぜ、このようなことを…!?」
「おまえが知る必要はない!」
ネストルが剣を振り下ろした。
ニコラスはすんでのところで、その剣を交わした。
ネストルは、憎悪のこもった視線でニコラスを睨む。
「こしゃくな真似を…!」
ネストルは、迷うことなく剣を振り下ろす。
ニコラスは、ネストルの剣から身を守りながら、懸命に応戦した。
強風の中に、剣と剣のぶつかる重い金属音が響く。
(まずいな…さすがは兄上だ。
僕には、兄上の剣を交わすだけで精一杯だ…)
ニコラスは、流れる汗や血を拭うことも、上がった息を整えることも出来ないまま、ただひたすらにネストルの剣を受け止めた。
(兄上は本気だ。一瞬でも気を抜いたら、確実に殺される…)
ニコラスは自分に着々と近づいてくる死の足音に、体を震わせた。
「ニコラス様、あそこに…!」
「あ…赤い雲…!」
早朝の空に、赤い雲が浮かんでいるのを、ニコラスとヴァシリスはみつけた。
「ヴァシリス!すぐに、リガス様に…」
「待て!」
突然、目の前に現れたネストルとジャーメインに、ニコラスは動揺した。
「どういうことです?兄上。」
「このことには関わるな。
私が然るべき方にちゃんと報告する。」
「いえ、私はこのことをリガス様に報告せねばなりません。」
「おまえもしつこいな!
私の言うことが信じられないのか!?」
ネストルはずいぶんと苛立っているようで、彼のこめかみには青い筋が浮き上がった。
「信じるとか信じないとか、そういう問題ではありません。
僕は、僕の任務に忠実であるだけです。
ヴァシリス、行け!」
「はっ!」
「ジャーメイン!」
「はっ!」
ヴァシリスとジャーメインは、その場から掻き消えた。
ジャーメインがヴァシリスの後を追ったことは容易に察しがついた。
ヴァシリスのことが気にかかりながらも、もはやニコラスには何も出来なかった。
「本当におまえは愚か者だ…」
ネストルは腰の剣を引き抜いた。
「兄上…!実の弟に刃を向けられるのですか!?」
「実の弟だと…?
確かにな…だが、半分だ。
私はお前とは違う…」
ニコラスは、唇を噛み締めた。
その間にも、ネストルはじわじわと間合いを縮める。
「そうか、おまえも知っていたのだな。
それも当然だな。
私とおまえとは似ていない。
おまえは、私より何もかも劣っておる…」
「兄上…なぜ、このようなことを…!?」
「おまえが知る必要はない!」
ネストルが剣を振り下ろした。
ニコラスはすんでのところで、その剣を交わした。
ネストルは、憎悪のこもった視線でニコラスを睨む。
「こしゃくな真似を…!」
ネストルは、迷うことなく剣を振り下ろす。
ニコラスは、ネストルの剣から身を守りながら、懸命に応戦した。
強風の中に、剣と剣のぶつかる重い金属音が響く。
(まずいな…さすがは兄上だ。
僕には、兄上の剣を交わすだけで精一杯だ…)
ニコラスは、流れる汗や血を拭うことも、上がった息を整えることも出来ないまま、ただひたすらにネストルの剣を受け止めた。
(兄上は本気だ。一瞬でも気を抜いたら、確実に殺される…)
ニコラスは自分に着々と近づいてくる死の足音に、体を震わせた。
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