258 / 351
side カンナ
7
しおりを挟む
*
(えっ!?)
意外にも宿は、アルバートさんと同じ部屋だった。
これはかなり緊張する…!
「カンナ…明日も早いから、早めに寝ていた方が良いぞ。」
そう言いながら、アルバートさんは服を脱ぐ。
私は慌てて後ろを向いて…
「の、喉が渇いた。水飲もうっと。」
行動をわざわざ言葉にして、飲みたくもない水差しの水をグラスに注ぐ。
「しかし、久しぶりだ。
キリルに来たのは何年ぶりだろう…」
ベッドに横になったアルバートさんが、独り言を言う。
声の調子からして、キリルのことはけっこう気に入ってる感じ?
「以前は良く来られてたんですか?」
「え?あぁ…まぁな。
まだ幼い頃…だな。」
「そうなんですか。」
小さい頃のアルバートさん…きっと、可愛かっただろうな。
そんなことを想ったら、なぜだか子供の頃のケントの顔が思い浮かんだ。
小さい頃のあの子は、なんでも私に頼りっきりで…どこに行くにも手を繋いで行ってたね。
(ケント…どうしてるかな?
私がいなくなって、心配してるだろうな…)
「カンナ……どうかしたのか?」
「え?い、いえ。なんでもありません。」
私は素早くベッドの中に潜り込んだ。
「……服を着たまま寝るのか?」
「え?あ、はい。僕…けっこう寒がりなんで…」
「寒いのか?」
「えーっと…寒いって程ではないんですが、やっぱり脱ぐと寒いですね。」
「大丈夫なのか?熱でもあるんじゃないのか?」
「い、いえ、熱はありません。
じゃあ、おやすみなさい!」
私は、毛布を頭の上までひっぱって、沈黙した。
幸いなことに、アルバートさんもそれ以上は何も言わず、ランプの明かりを吹き消した。
(えっ!?)
意外にも宿は、アルバートさんと同じ部屋だった。
これはかなり緊張する…!
「カンナ…明日も早いから、早めに寝ていた方が良いぞ。」
そう言いながら、アルバートさんは服を脱ぐ。
私は慌てて後ろを向いて…
「の、喉が渇いた。水飲もうっと。」
行動をわざわざ言葉にして、飲みたくもない水差しの水をグラスに注ぐ。
「しかし、久しぶりだ。
キリルに来たのは何年ぶりだろう…」
ベッドに横になったアルバートさんが、独り言を言う。
声の調子からして、キリルのことはけっこう気に入ってる感じ?
「以前は良く来られてたんですか?」
「え?あぁ…まぁな。
まだ幼い頃…だな。」
「そうなんですか。」
小さい頃のアルバートさん…きっと、可愛かっただろうな。
そんなことを想ったら、なぜだか子供の頃のケントの顔が思い浮かんだ。
小さい頃のあの子は、なんでも私に頼りっきりで…どこに行くにも手を繋いで行ってたね。
(ケント…どうしてるかな?
私がいなくなって、心配してるだろうな…)
「カンナ……どうかしたのか?」
「え?い、いえ。なんでもありません。」
私は素早くベッドの中に潜り込んだ。
「……服を着たまま寝るのか?」
「え?あ、はい。僕…けっこう寒がりなんで…」
「寒いのか?」
「えーっと…寒いって程ではないんですが、やっぱり脱ぐと寒いですね。」
「大丈夫なのか?熱でもあるんじゃないのか?」
「い、いえ、熱はありません。
じゃあ、おやすみなさい!」
私は、毛布を頭の上までひっぱって、沈黙した。
幸いなことに、アルバートさんもそれ以上は何も言わず、ランプの明かりを吹き消した。
0
あなたにおすすめの小説
『婚約なんて予定にないんですが!? 転生モブの私に公爵様が迫ってくる』
ヤオサカ
恋愛
この物語は完結しました。
現代で過労死した原田あかりは、愛読していた恋愛小説の世界に転生し、主人公の美しい姉を引き立てる“妹モブ”ティナ・ミルフォードとして生まれ変わる。今度こそ静かに暮らそうと決めた彼女だったが、絵の才能が公爵家嫡男ジークハルトの目に留まり、婚約を申し込まれてしまう。のんびり人生を望むティナと、穏やかに心を寄せるジーク――絵と愛が織りなす、やがて幸せな結婚へとつながる転生ラブストーリー。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
1歳児天使の異世界生活!
春爛漫
ファンタジー
夫に先立たれ、女手一つで子供を育て上げた皇 幸子。病気にかかり死んでしまうが、天使が迎えに来てくれて天界へ行くも、最高神の創造神様が一方的にまくしたてて、サチ・スメラギとして異世界アラタカラに創造神の使徒(天使)として送られてしまう。1歳の子供の身体になり、それなりに人に溶け込もうと頑張るお話。
※心は大人のなんちゃって幼児なので、あたたかい目で見守っていてください。
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハーレム異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーレムです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~
咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」
卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。
しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。
「これで好きな料理が作れる!」
ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。
冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!?
レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。
「君の料理なしでは生きられない」
「一生そばにいてくれ」
と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……?
一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです!
美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる