妖精からの贈り物

ルカ(聖夜月ルカ)

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妖精からの贈り物





「ここのどこかにお宝があるんだな。」

昨夜、早くに眠りに就いたせいなのか、次の朝、いつもは朝寝坊なジュリアンが夜明けと同時に目を覚ました。



『あれはただの伝説だと言っていたではないか。』

「よく言うぜ。
存在自体が伝説みたいな者のくせして…」

『……確かにそうかもしれんな。
では、おまえはあの話を今でも信じてるというのか?』

「正直言って信じる気持ち半分、信じない気持ち半分ってとこだな。」

そういいながら、ジュリアンはあたりをスコップで掘り始めた。



『そうやみくもに掘ってもみつからんだろう。
まさかここを全部掘るつもりなのか?』

「あぁ、そのつもりだ。
そうすりゃ最後にはみつかるだろう。」

『過去にもおまえと同じように考えた者がいたはずだ。
だが、みつからなかった。
だからこそ、伝説と言われているのだろう?
ならば、もう一度、伝承の意味を考えてみた方が良いのではないか?
確か、太陽と月が交わる所…だったな?』

「馬鹿野郎。
太陽が出てる時には月は出ない。
月が出てリゃあ太陽は出ない。
そんなことは子供でもわかることだ。
そんな言葉の意味を考えるより、さっさと掘った方がマシってもんだ!」

『……おまえはそれだから単細胞だと言うのだ。
そういう話は、それそのものではなく何かに例えていることが多いものだ。』

「なにかって何なんだ!?」

『それはおまえが考えろ。』

「ちっ、おまえも結局わからないんだろ!
いい加減な事言うなよな!」

『ならば、勝手にしろ。』

「あぁ、端からそのつもりだ!」

ジュリアンは手当たり次第にそこら中を掘り始めた。
彼の頬を大粒の汗が滴り落ちる。



「あぁ、畜生!
一体どこにあるんだ!」

ジュリアンは汗を拭い、水筒に手を伸ばしたが、水はもうあまり入ってはおらず、すぐになくなってしまった。
ジュリアンは悪態を吐き、水筒を手近の岩の上に置いた。



「……そうか。これは椅子よりもテーブルに良い高さだな。
って、そんなことより水だ…水場を探さなきゃならねぇな。」

『……ジュリアン…』

「な、なんだ?どうかしたのか?」

ジュリアンは、エレスのいつにない深刻な表情に気が付いた。

 
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