妖精からの贈り物

ルカ(聖夜月ルカ)

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妖精からの贈り物

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「ちょっと、このあたりで休んで行こう。」

苦労してみつけたお宝がつまらないものだと知って、ジュリアンは採掘する気力も失い、そのまま山を降りた。
幸い、泉を発見することは出来たが、新鮮な水を飲んでも落ちこんだジュリアンに元気が出ることはなかった。



「今回は大失敗だったな。」

『そうとも限らんぞ。
もしかしたらあの種はなにか新種の果物なのかもしれん。
それを育てて売れば…』

「馬鹿野郎!
俺は作物を育てたことなんてないんだぞ!
それにこれから先もそんなことをやるつもりはねぇ!
……でも、おまえの言う通りかもしれないな。
昔、誰かが異国から持ちこんだ果物か何かの種を宝物のように思って隠したとか…そんなことじゃないか?」

ジュリアンは黒い種をポケットから取り出し、手の平に乗せた。



「でも、見ろよ。
こんな状態じゃあ、きっともう芽が出ることもないだろうな。」

そういいながら、ジュリアンは種を宙に放り投げ受け止めた。



『もっと早くにみつかれば育ったかもしれんな。』

「そう……あぁっ!た、種が……」

ジュリアンの手が種を受け取りそびれ、弾かれた種は斜面を転がり落ちてすぐに見えなくなってしまった。



『どうする?探しに行くか?』

落ちた場所をのぞきこみながら、エレスが呟く。



「……あ~あ、やっちまった…
もういいよ。
どうせみつかりっこないさ。
さ、そろそろ行くとするか。」

ジュリアンはあっさりと立ちあがり、歩き始めた。



『本当に探さなくて良いのか?
町には寄らないのか?』

「あぁ、もう良いさ。
町には当然寄らねぇぞ。
あれ以上、馬鹿にされたんじゃかなわねぇからな。
それに、お宝が実は種でしかもそれを落っことしたなんて言っても誰も信じねぇだろうしな。
町は迂回して行こう。
なぁに、隣町まではそう遠くはないはずだ。
今夜遅くには辿り着くはずだ。」

『私は、別にかまわんが、な…』
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