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幻想チョコレート
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「どうしたんですか、剣さん。
さっきからニヤニヤしちゃって、何か良いことでもあったんですか?」
「え……?!」
不意に声をかけられ、俺は妄想の世界から現実に引き戻された。
手には、リュウの作ってくれたオムレツの一片が刺さったフォークを握り締めたまま…
「そ、それはだなぁ…
……ほ、ほらっ!見てみろよ!
二月だっていうのに、あんなに空が澄み渡って…」
俺は、今まで頭の中を埋め尽していた幸せな妄想を隠すため、咄嗟にそんなことを言っては窓の外を指差した。
「あぁ、本当だ。
さすがは剣さん!
空の美しさに感動するなんて、ロマンチストですね!」
「当たり前だ!
ロマンを忘れたホストが女に夢を与えられるわけがないんだからな。
良いか、リュウ。
ホストというものはだな…」
俺は調子に乗って自分のホスト論をリュウにくどくどと展開する。
リュウはそんなつまらない俺の話をうんうんと頷きながら、真面目に聞いていた。
俺が一番信頼し、可愛がっている後輩ホストだ。
真面目で熱くて良い奴なんだが、俺とのつきあいが長いくせに、俺がこんな話をするのは決まって心に少しばかり疚しいことがある時だということにまだ気付いてはいない。
「……とまぁ、そういうことだ。」
「はぁ…やっぱ、剣さんの話は勉強になりますね!
さすがはカリスマホストって感じです!」
「お世辞は良いよ。」
「お世辞なんかじゃないですよ!」
ムキになる所がまた可愛い。
俺の顔から思わず笑みがこぼれる。
俺はいつものように後片付けをリュウに任せ、部屋に戻った。
(今年はどんなのがもらえるかなぁ…?)
ベッドに寝転び、天井を見上げながら俺はまたさっきの妄想の続きを頭に思い浮かべた。
さっき、リュウに指摘されてしまった笑顔の原因…
俺の幸せな妄想は今夜のこと…
そう、今日は待ちに待ったバレンタインデーだ!
しかも、明日は店の定休日。
最高の日程だ。
今夜もらったチョコレートを、明日は心おきなく味わうことが出来るのだから。
俺は、あと数時間で手にするだろうチョコレートの山のことを考えて、一人にやついた。
明日は、一日中部屋に閉じこもって蒸せかえるようなチョコレートの薫りに包まれよう…!
あぁ、なんという幸せ…!!
さっきからニヤニヤしちゃって、何か良いことでもあったんですか?」
「え……?!」
不意に声をかけられ、俺は妄想の世界から現実に引き戻された。
手には、リュウの作ってくれたオムレツの一片が刺さったフォークを握り締めたまま…
「そ、それはだなぁ…
……ほ、ほらっ!見てみろよ!
二月だっていうのに、あんなに空が澄み渡って…」
俺は、今まで頭の中を埋め尽していた幸せな妄想を隠すため、咄嗟にそんなことを言っては窓の外を指差した。
「あぁ、本当だ。
さすがは剣さん!
空の美しさに感動するなんて、ロマンチストですね!」
「当たり前だ!
ロマンを忘れたホストが女に夢を与えられるわけがないんだからな。
良いか、リュウ。
ホストというものはだな…」
俺は調子に乗って自分のホスト論をリュウにくどくどと展開する。
リュウはそんなつまらない俺の話をうんうんと頷きながら、真面目に聞いていた。
俺が一番信頼し、可愛がっている後輩ホストだ。
真面目で熱くて良い奴なんだが、俺とのつきあいが長いくせに、俺がこんな話をするのは決まって心に少しばかり疚しいことがある時だということにまだ気付いてはいない。
「……とまぁ、そういうことだ。」
「はぁ…やっぱ、剣さんの話は勉強になりますね!
さすがはカリスマホストって感じです!」
「お世辞は良いよ。」
「お世辞なんかじゃないですよ!」
ムキになる所がまた可愛い。
俺の顔から思わず笑みがこぼれる。
俺はいつものように後片付けをリュウに任せ、部屋に戻った。
(今年はどんなのがもらえるかなぁ…?)
ベッドに寝転び、天井を見上げながら俺はまたさっきの妄想の続きを頭に思い浮かべた。
さっき、リュウに指摘されてしまった笑顔の原因…
俺の幸せな妄想は今夜のこと…
そう、今日は待ちに待ったバレンタインデーだ!
しかも、明日は店の定休日。
最高の日程だ。
今夜もらったチョコレートを、明日は心おきなく味わうことが出来るのだから。
俺は、あと数時間で手にするだろうチョコレートの山のことを考えて、一人にやついた。
明日は、一日中部屋に閉じこもって蒸せかえるようなチョコレートの薫りに包まれよう…!
あぁ、なんという幸せ…!!
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