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十字架の楽園
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その後、私はその言葉の意味を知った。
愛し合う男女のすることを無理矢理に見ず知らずの人とさせられてしまう…
それが「売られる」ということなのだと…
リチャードは、女をひっかけては何度もこういうことをしているらしい。
私の部屋の隣に以前住んでたのも私と同じくリチャードに売られた女性だったらしい。
そして、その女性はその部屋で首を吊って死んだということだった。
しばらくの間は頭の中が混乱してなにもわからなかった。
それからまた月日が流れると、今度は毎日が悲しくて辛くて、死んでしまいたい気持ちになった。
仕事が辛いのかリチャードに裏切られたことが悲しかったのか、原因はよくわからなかったが、毎日泣いてばかりいた。
そのことで、おかみさんには毎日打たれた。
泣いてる暇があったら客を取れ!と怒鳴られ、蹴られた。
やっと涙が枯れ果てた頃、私の心の中にリチャードへの憎しみが渦巻いているのをはっきりと感じた。
それは、生まれて初めて感じた憎しみの感情だった。
「やっと落ちついて来たみたいだね。
辛いとは思うけど、泣いたってわめいたって、ここからは出られやしないんだから、諦めた方が楽になれるよ。」
そう言ったのは、何かにつけ私に優しくしてくれるルーシーさんだった。
ルーシーさんは15歳の時に、実の父親にここに売られて来たのだという。
実の父親に売られるなんて、私よりも気の毒だと思った。
「あんたがリチャードと知り合ったのは不幸だったね。
でも、それもあんたの運命なんだ。
どうにもならないことなんだよ。」
「たとえ、それが運命だとしても…私にはやっぱり許せない…
私は一生、あの男を許さないわ!」
「その気持ちはわかるよ。
あたしだって父親のことは一生許さない!
あいつらは、人間じゃないんだ。
金のために女をこんな所に売ることが出来る奴なんて…鬼か悪魔でしかないんだ!」
(その通りだ…
あんな奴は、人間じゃない…!)
その後、私はその言葉の意味を知った。
愛し合う男女のすることを無理矢理に見ず知らずの人とさせられてしまう…
それが「売られる」ということなのだと…
リチャードは、女をひっかけては何度もこういうことをしているらしい。
私の部屋の隣に以前住んでたのも私と同じくリチャードに売られた女性だったらしい。
そして、その女性はその部屋で首を吊って死んだということだった。
しばらくの間は頭の中が混乱してなにもわからなかった。
それからまた月日が流れると、今度は毎日が悲しくて辛くて、死んでしまいたい気持ちになった。
仕事が辛いのかリチャードに裏切られたことが悲しかったのか、原因はよくわからなかったが、毎日泣いてばかりいた。
そのことで、おかみさんには毎日打たれた。
泣いてる暇があったら客を取れ!と怒鳴られ、蹴られた。
やっと涙が枯れ果てた頃、私の心の中にリチャードへの憎しみが渦巻いているのをはっきりと感じた。
それは、生まれて初めて感じた憎しみの感情だった。
「やっと落ちついて来たみたいだね。
辛いとは思うけど、泣いたってわめいたって、ここからは出られやしないんだから、諦めた方が楽になれるよ。」
そう言ったのは、何かにつけ私に優しくしてくれるルーシーさんだった。
ルーシーさんは15歳の時に、実の父親にここに売られて来たのだという。
実の父親に売られるなんて、私よりも気の毒だと思った。
「あんたがリチャードと知り合ったのは不幸だったね。
でも、それもあんたの運命なんだ。
どうにもならないことなんだよ。」
「たとえ、それが運命だとしても…私にはやっぱり許せない…
私は一生、あの男を許さないわ!」
「その気持ちはわかるよ。
あたしだって父親のことは一生許さない!
あいつらは、人間じゃないんだ。
金のために女をこんな所に売ることが出来る奴なんて…鬼か悪魔でしかないんだ!」
(その通りだ…
あんな奴は、人間じゃない…!)
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