あれこれ短編集

ルカ(聖夜月ルカ)

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十字架の楽園

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小さなジョシュアが去ったのを見届けると、私はロビンソン博士の部屋へ向かった。
ソファーの上の博士は驚いたような顔で息絶えていた。



(可哀想な博士…)

私はロビンソン博士の目を閉じ顔の血を拭い、シーツで全身をくるんだ。



「リリィ、俺がやるよ。」

後ろからジョシュアの声が聞こえた。



「良いのよ。
リチャードの時はあなたがやってくれたんだもの。」

「俺にやらせてくれ…」

ジョシュアはそういうとロビンソン博士の遺体を軽々と担いだ。
ジョシュアの肩の上で白いシーツがだんだんと赤く染まっていく…



「こっちよ。」

私は、ジョシュアを屋敷の地下に案内した。
長い階段を降りてた先は地下とは思えない程、広い場所で、そこには二つの墓が建っていた。
私がいた頃は墓は一つだったのに、今、まさにそれは三つになろうとしている。



「ここは…」

「そう…ここは墓地よ。
そのお墓はアンダーソン博士とスノーザー博士のもの。
ジョシュア、柩はこっちよ。」

私は墓地の隅に作られた小屋に案内した。
そこには二つの柩が置かれていた。



「これは…」

「ロビンソン博士と私の物よ。」

ジョシュアが驚いたような視線を私に向けた。



「最後に生き残った博士が亡くなったら、私がこの柩に埋葬するように小さい頃から言われてたの…」

ジョシュアは柩の中に博士をおさめ、博士の顔をじっと見つめていた。
目を閉じただけで博士の表情は穏やかなものに変わっていた。

その間に、私は穴を掘った。
アンダーソン博士が亡くなった時は、私は座って二人の博士が穴を掘るのをただ見ていたものだ。
あの頃はそんな光景にも何の感情も抱くことはなかった…



しばらくするとジョシュアが一緒に穴を掘り始めた。
目は赤く腫れていたが、しっかりとした手付きで力強く穴を掘り、そして、私達はロビンソン博士を埋葬した。



「父さん…許してくれ…!!」

埋めたばかりの柩の上でジョシュアは狂ったように泣き出した。
私もジョシュアの横に座り、二人で泣いた…



(ごめんなさい…ロビンソン博士…
どうか、ジョシュアを許してあげて…)
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