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ジャック・オー・ランタン
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(あぁ、つまんねぇ…)
ジャックは、鍋を叩く手を止め、ゆっくりと立ち上がりました。
鍛冶屋の仕事は重労働。
しかも、ジャックは仕事が雑だと親方に叱られてばかりで、面白くありません。
(幸い、親方は出かけてるし…ちょっと酒でも飲みに行くか。)
ジャックは仕事を放り出し、棚から金をくすねると外へ飛び出しました。
「おい、ジャック!
こんなところで何してやがる!」
運悪く、ジャックは商店街で親方と鉢合わせしてしまいました。
「お、親方…じ、実は、隣町の知り合いの婆さんが、具合を悪くして俺を呼んでるってさっき報せが来て…」
「隣町の婆さんだと?」
「ええ、身寄りのない婆さんで、たまたま隣町に行った時に出逢いましてね。
何度か家の修繕や買い物の手伝いをしてやったところ、俺のことを孫みたいに思ったようで…まぁ、『困ったことがあったら、いつでも言ってくれ』なんて言ってしまった俺が悪いんですけど…」
「そうだったのか…身寄りがないんじゃ、婆さんも困ってるだろうな。
年寄りに親切にするのは良いことだ。
じゃあ、早く行ってやれ。
あ、これで、婆さんに果物でも買って行ってやんな。」
「親方、ありがとうございます。」
ジャックは、内心ほくそ笑み、町のはずれの酒場に繰り出しました。
(あぁ、つまんねぇ…)
ジャックは、鍋を叩く手を止め、ゆっくりと立ち上がりました。
鍛冶屋の仕事は重労働。
しかも、ジャックは仕事が雑だと親方に叱られてばかりで、面白くありません。
(幸い、親方は出かけてるし…ちょっと酒でも飲みに行くか。)
ジャックは仕事を放り出し、棚から金をくすねると外へ飛び出しました。
「おい、ジャック!
こんなところで何してやがる!」
運悪く、ジャックは商店街で親方と鉢合わせしてしまいました。
「お、親方…じ、実は、隣町の知り合いの婆さんが、具合を悪くして俺を呼んでるってさっき報せが来て…」
「隣町の婆さんだと?」
「ええ、身寄りのない婆さんで、たまたま隣町に行った時に出逢いましてね。
何度か家の修繕や買い物の手伝いをしてやったところ、俺のことを孫みたいに思ったようで…まぁ、『困ったことがあったら、いつでも言ってくれ』なんて言ってしまった俺が悪いんですけど…」
「そうだったのか…身寄りがないんじゃ、婆さんも困ってるだろうな。
年寄りに親切にするのは良いことだ。
じゃあ、早く行ってやれ。
あ、これで、婆さんに果物でも買って行ってやんな。」
「親方、ありがとうございます。」
ジャックは、内心ほくそ笑み、町のはずれの酒場に繰り出しました。
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