あれこれ短編集

ルカ(聖夜月ルカ)

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ジャック・オー・ランタン

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 「よう、ジャック!
 待たせたな!」

 悪魔と出会ってしばらく経ったある日、ジャックは、悪魔に魂の契約をすると言って、町はずれの廃屋にアンガスを呼び出しました。



 「お前は良い決断をした。
 向こうでは目をかけてもらえるように、仲間に言っといてやるよ。」

 「それは助かる。
ありがとよ。」

 「では、この契約書に…」

 「その前に……」

そう言ってジャックは袋に手を突っ込みました。



 「祝杯だ。おまえも嫌いじゃないんだろ?」

そう言いながら、ジャックは袋から取り出した酒の瓶を悪魔に見せました。
アンガスは満足そうな顔をして頷きます。



 「俺達の素晴らしい契約を祝って…乾杯!」

 「乾杯!」

 二人は、グラスを合わせ、酒を飲み干しました。



 「うっ!」

アンガスの手からグラスが離れ、グラスは乾いた音を立てて割れました。


 「か、からだが…しびれる…」

 「そうか、そうか、悪魔にもこの薬は効くんだな。」

 「な、なんだと…それじゃあ、おまえが薬を……
でも、おまえも酒を飲んだ…のに……」

ジャックは、肩をすくめ、小さく笑います。


 「酒にはなにも入れちゃいないさ。
 薬を塗ったのはグラスの方さ。」

 「ち、畜生……」

アンガスは憎しみのこもった瞳で、ジャックを睨み付けました。



 「さて、と。
じゃあ、これを…と。」

 「な、なにを……あ、あぁ……」

ジャックは、アンガスの首にロザリオを掛けました。
それは、神父さんの依頼で、親方が最近作り上げたばかりのロザリオでした。


 「これで、おまえは薬が解けても悪魔としての力を発揮することは出来ない。」

 「ち、くしょう!
なめた真似を…しやがって…!
なんで、こんな真似を……」

 「だから言っただろ?
 契約のためさ。」

 「契……約だと?」

アンガスは、困惑した顔でジャックをみつめました。

 
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