あれこれ短編集

ルカ(聖夜月ルカ)

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クリスマスプレゼントは靴下に

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(あ、あれ……?)



今時あんまり見かけなくなった側溝の傍らに、一人の男性がぽつねんと佇んでいた。
どこか不自然な立ち方だ。



「あ、あの……」

なんだか妙に気になって、私はつい声をかけてしまった。
 私の声に反応してあげられたその顔は、私好みの超イケメンで……



(う、嘘!な、なんで、こんな所に私の理想のタイプがいるのよ!?)



長い間、忘れていたときめきが私の鼓動を速くする。
い、いかん!なんだか顔が熱くて爆発しそう……!



「……どうかされましたか?」

思い掛けない展開に、私がどうすれば良いのかと焦っていると、今度はイケメンの方から声をかけられた。
低くて響きのある男性的な声だった。



「えっ!?あ、あぁ、じ、実は道が……その、わからなくて……」

「道って…どこの?」

「あ、はい。
とりあえず通りに出たいんです。」

「通り……?
通りって…そこの……?」

男性が指差した先を見ると、そこには見慣れた通りの一角が見えていた。
あぁ、なんて恥ずかしい…!
こんな近くに来ていたことに気付かないなんて。



「あは……ははははは……」

気まずさを誤魔化そうとしたのか、私は無意識に笑ってた。
しかも、なんだかすごく不気味な低い声で……



イケメンは、どう思ったのかわからないけど、小さな溜め息を吐いてそっと俯いた。



(きゃーーー!
この人、横顔もすっごく綺麗!
なんか、この悩みを抱えてるみたいな、憂いを含んだ雰囲気がたまらない……!
スタイルも良いし、足も長いし……ん?)



「え、えぇっ!」

思わず飛び出た私の声に、イケメンはまた顔を上げて私の方を見た。



「あ、足!」

 私がそう言うと、イケメンは、切ない顔で微笑んだ。



「……馬鹿でしょう?
全く、どうしたものやら……」

イケメンが嘆くのも無理はない。
なんたって、彼の片足は酷く汚れて、しかも靴を履いてない。
すぐ側には、踏み破られた溝の板が……
こんなことにも気付かないなんて、私、相当興奮してたみたい。
でも、私の理想のタイプが突然目の前に現れたんだもん。
混乱するのも無理はない。
恋心なんてとっくに忘れて、砂漠と化してた私の心に、急にオアシスがみつかったみたいな…いや、起きるはずのないスコールが突然降り始めたようなものだもの。

って、そんなことより、とにかくなんとかしなくちゃ!
この人を助けてあげなきゃ!
 私は、ほろ酔い気分の脳みそをフル回転で動かした。

 
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