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ひつじ年の年賀状
side 美遥1
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*
振り向くと、そこに立ってたのは、少々個性の強い男性。
なにやら今時のデザインとは明らかに違うぶかぶかのコートを着て、オールバックの艶やかな黒髪は肩のあたりまで長く伸びてて…
それを見た途端、私は反射的に叫んでた。
「あ…ら、蘭学者!」
そう…それは、私が高3の時のクラスメイト。
身長が高く、顔もけっこう格好良いのに、なんでかよくわからないけど、彼はそんな変わったヘアスタイルをしてて…
変わってるのは髪型だけじゃなくて、天然というのかどこか浮世離れしたところがあって、休み時間にも一人で本を読んでるようなことが多かったから、いつの間にか彼には「蘭学者」ってあだ名がついていた。
でも、彼は、その言葉にきょとんとした顔をして……
もしかして…本人、「蘭学者」って呼ばれてたことを知らない…?
(……まさか!?)
焦っても、もう言ってしまったし、彼の名前はどうしても思い出せないし…
私は思い切って、『蘭学者』が彼のあだ名だったことと名前が思い出せないことを謝った。
彼はやっぱりそのあだ名のことを気付いてなかったみたいで、かなりびっくりしてた。
しかも、自分のことを存在感が薄いだなんて言った。
あなたのことは、高校中の全生徒が知ってますから!って言いたいところだったけど、それはあえて言わなかった。
「あ、あの…僕、松本です。
松本樹生。(まつもとみきお)」
「あ、そ、そうだ!
松本君!久しぶりだね!」
彼は名前を教えてくれたけど、それを聞いても思い出せなかった。
だけど、そんな失礼なことは言えないから、私は思い出したふりをして無理に笑った。
考えてみれば、彼とは確かほとんどしゃべったこともなかったような…
彼は友達がいないわけではないけど、けっこう一人でいることが多かった気がするし、必要なこと以外はしゃべったこともなかったはずだ。
「ありがとう、相川さん。
相川さんは本当に変わらないね。」
「……え?」
そう言って微笑んだ蘭学者の顔は、けっこう素敵で……
でも、どういうことだろう?変わらないって…
あの頃と比べたら当然更けてると思うんだけど…もしかして彼なりのお世辞?
そう言えば、あの頃はとにかくおかしいと思ってただけだけど、今、改めて見てみると、その髪型はけっこう彼に似合ってる。
顔に渋みっていうのか、男らしさが増したから、髪型に合って来たってことだろうか…
「あ…よ、良かったら、どこかでお茶でも…」
「え……?」
彼のどこか困ったような顔を見て、私はしくじったと思った。
なんでそんなこと、言ってしまったんだろう?
って、それはきっと彼が格好良いからだな。
だけど、彼は困ってる…あ、そうか!多分、結婚しててそれで……
どうしよう…!?
「……本当に良いの?」
「え?」
取り消そうかと思った時、彼がよくわからないことを言った。
「うん、お茶のこと…」
「え…う、うん!もちろん!」
私に気遣ってくれてるのか何なのか、彼はそう言ってとても無邪気な顔で微笑んだ。
あれ?大丈夫なのかな??
振り向くと、そこに立ってたのは、少々個性の強い男性。
なにやら今時のデザインとは明らかに違うぶかぶかのコートを着て、オールバックの艶やかな黒髪は肩のあたりまで長く伸びてて…
それを見た途端、私は反射的に叫んでた。
「あ…ら、蘭学者!」
そう…それは、私が高3の時のクラスメイト。
身長が高く、顔もけっこう格好良いのに、なんでかよくわからないけど、彼はそんな変わったヘアスタイルをしてて…
変わってるのは髪型だけじゃなくて、天然というのかどこか浮世離れしたところがあって、休み時間にも一人で本を読んでるようなことが多かったから、いつの間にか彼には「蘭学者」ってあだ名がついていた。
でも、彼は、その言葉にきょとんとした顔をして……
もしかして…本人、「蘭学者」って呼ばれてたことを知らない…?
(……まさか!?)
焦っても、もう言ってしまったし、彼の名前はどうしても思い出せないし…
私は思い切って、『蘭学者』が彼のあだ名だったことと名前が思い出せないことを謝った。
彼はやっぱりそのあだ名のことを気付いてなかったみたいで、かなりびっくりしてた。
しかも、自分のことを存在感が薄いだなんて言った。
あなたのことは、高校中の全生徒が知ってますから!って言いたいところだったけど、それはあえて言わなかった。
「あ、あの…僕、松本です。
松本樹生。(まつもとみきお)」
「あ、そ、そうだ!
松本君!久しぶりだね!」
彼は名前を教えてくれたけど、それを聞いても思い出せなかった。
だけど、そんな失礼なことは言えないから、私は思い出したふりをして無理に笑った。
考えてみれば、彼とは確かほとんどしゃべったこともなかったような…
彼は友達がいないわけではないけど、けっこう一人でいることが多かった気がするし、必要なこと以外はしゃべったこともなかったはずだ。
「ありがとう、相川さん。
相川さんは本当に変わらないね。」
「……え?」
そう言って微笑んだ蘭学者の顔は、けっこう素敵で……
でも、どういうことだろう?変わらないって…
あの頃と比べたら当然更けてると思うんだけど…もしかして彼なりのお世辞?
そう言えば、あの頃はとにかくおかしいと思ってただけだけど、今、改めて見てみると、その髪型はけっこう彼に似合ってる。
顔に渋みっていうのか、男らしさが増したから、髪型に合って来たってことだろうか…
「あ…よ、良かったら、どこかでお茶でも…」
「え……?」
彼のどこか困ったような顔を見て、私はしくじったと思った。
なんでそんなこと、言ってしまったんだろう?
って、それはきっと彼が格好良いからだな。
だけど、彼は困ってる…あ、そうか!多分、結婚しててそれで……
どうしよう…!?
「……本当に良いの?」
「え?」
取り消そうかと思った時、彼がよくわからないことを言った。
「うん、お茶のこと…」
「え…う、うん!もちろん!」
私に気遣ってくれてるのか何なのか、彼はそう言ってとても無邪気な顔で微笑んだ。
あれ?大丈夫なのかな??
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