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side ひかり
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「ち、違うよ!
いやだなぁ…
じ…実はね、へそくりがあったんだ。
今日発売のゲームソフトがあって、そのために貯めてたの。
だけど、それが売りきれてて……
仕方なくうろうろしてる時にたまたま携帯屋の前で無料の携帯をみつけたから…あ、シュウも携帯いるかなって思って……
歩いて帰って来たのは、シュウに出来るなら私にも出来るって思ったからだよ。
単なる思いつき。
……でも、だめだったけどねぇ。」
私は咄嗟に思い吐いた嘘を並べ立て、精一杯の愛想笑いで締めくくった。
「……なんだ、そうだったのか。
ひかりがでかけてから、俺、おかしいなって思ってたんだ。
昨日、全財産を俺に預けてくれて、残りはほんの少ししかなかったのに、なんで町まで行ったんだろうって不思議に思ってて…
なんだ、ゲームの発売日だったのか…しかも、へそくりまで持ってたとはちゃっかりしてるな。」
シュウは呆れたような顔で私を見た。
少し寂しい想いがしたけど、私はそれにまた愛想笑いを返した。
「ま、そういうことだから、これからはこの携帯を使ってよ。
やっぱり、私も携帯がないと出掛ける時とかサイト見たい時とか不便だしね。
あ、一応、パケット定額にしてあるからネットはたくさん使っても大丈夫だから。」
「そっか……ありがとう。」
*
部屋に戻ると、なんとなくもやもやした気分に襲われた。
考えてみれば、今日はいろんなことがありすぎた。
まだ眠れそうにはなかったけど、とりあえず私は布団を敷き、その上にごろんと横になった。
天井を見上げながら、今日のことをゆっくりと思い返す。
(私……今日は頑張ったよね……)
携帯の契約も、私にとってはそれなりに高いハードルだった。
ああいう作業自体がけっこう苦手で、一人で行った事もなくて……
それでもちゃんとやりきったんだもんね。
それに、町からあんな遠い距離を歩いた。
シュウに迷惑かけることにはなったけど、それでも今までの私だったら絶対にしないことをやった。
(うん…頑張ったよ。)
いやだなぁ…
じ…実はね、へそくりがあったんだ。
今日発売のゲームソフトがあって、そのために貯めてたの。
だけど、それが売りきれてて……
仕方なくうろうろしてる時にたまたま携帯屋の前で無料の携帯をみつけたから…あ、シュウも携帯いるかなって思って……
歩いて帰って来たのは、シュウに出来るなら私にも出来るって思ったからだよ。
単なる思いつき。
……でも、だめだったけどねぇ。」
私は咄嗟に思い吐いた嘘を並べ立て、精一杯の愛想笑いで締めくくった。
「……なんだ、そうだったのか。
ひかりがでかけてから、俺、おかしいなって思ってたんだ。
昨日、全財産を俺に預けてくれて、残りはほんの少ししかなかったのに、なんで町まで行ったんだろうって不思議に思ってて…
なんだ、ゲームの発売日だったのか…しかも、へそくりまで持ってたとはちゃっかりしてるな。」
シュウは呆れたような顔で私を見た。
少し寂しい想いがしたけど、私はそれにまた愛想笑いを返した。
「ま、そういうことだから、これからはこの携帯を使ってよ。
やっぱり、私も携帯がないと出掛ける時とかサイト見たい時とか不便だしね。
あ、一応、パケット定額にしてあるからネットはたくさん使っても大丈夫だから。」
「そっか……ありがとう。」
*
部屋に戻ると、なんとなくもやもやした気分に襲われた。
考えてみれば、今日はいろんなことがありすぎた。
まだ眠れそうにはなかったけど、とりあえず私は布団を敷き、その上にごろんと横になった。
天井を見上げながら、今日のことをゆっくりと思い返す。
(私……今日は頑張ったよね……)
携帯の契約も、私にとってはそれなりに高いハードルだった。
ああいう作業自体がけっこう苦手で、一人で行った事もなくて……
それでもちゃんとやりきったんだもんね。
それに、町からあんな遠い距離を歩いた。
シュウに迷惑かけることにはなったけど、それでも今までの私だったら絶対にしないことをやった。
(うん…頑張ったよ。)
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