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馬グッズ(おひつじ座)
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「……俊、そんなに馬好きだっけ?」
「正確に言うと、馬が好きって言うよりは馬のグッズが好きなんだな。
あれ?もしかして、俺の携帯ストラップにも馬が付いてるの、気付いてなかった?」
「そうだっけ?
でも、なんでそんなに馬…じゃない、馬グッズが好きなの?」
「なんでって…ま、確かにこんな事になったのには理由があるっちゃーある。
実はな……ま、座れよ。」
部屋の真ん中の狭い空間には、馬の柄の座布団が二つ並べてあった。
私と俊はそこに座り、無数の馬達に取り囲まれながら、落ち付かない気分で私は俊の話を聞いた。
元はといえば、幼い俊が近所の家の引っ越しの時に捨てられてた馬の置物をみつけた事だったらしい。
当時の俊の家は悲しい程に貧乏だったそうで、捨てられたゴミはどれもまだどこも傷んでいない良いものに見え、思わず、足を停めてしまったのだという。
その中でも一際俊の目をひいたのが、馬の置き物だった。
片足を上げた赤銅の馬は雄雄しく美しく、持ってみるとずっしりと重く、それがますます上等なものに感じられたそうだ。
俊は、その馬が無性に気に入り、あたりをうかがいながら走って家に持ち帰った。
彼の両親も、お金持ちのその家にあった物だったらきっと運が良い筈だと言い、その馬は早速俊の家の玄関に飾られることになった。
本当に、そんな縁起の良いものだったのか、それとも単なる思い込みの力なのか、不思議な事にそれから俊の家はどんどん経済状態が良くなっていった。
そうなると、家族の馬信仰はどんどんとエスカレートし、皆が馬のグッズをみつけては買って来るようになり、それが積もり積もって、ついにこんなことになってしまったのだという。
「馬鹿馬鹿しいと思うかもしれないけど、本当に馬って縁起が良いものらしいんだ。
仕事運やら家庭運やらが良くなるらしいんだけど、それって幸せになれるってことだよな。」
「幸せ?」
「だってさ、一生懸命に良い仕事が出来て、愛する家族がいること以上に幸せなことなんてないじゃん。
恵と家族になれるように導いてくれたのも馬じゃないかって思ってるんだ。」
あまりにも馬のパワー(?)を信じてる彼に苦笑しながらも、そんなウマい事を言われて嬉しくない筈はない。
所狭しと飾られた馬グッズが、ほんの少し可愛く感じられた。
俊と結婚して、この家に住むようになったら…私も馬をみかけけたらつい買ってしまうようになってしまうのかな?
「正確に言うと、馬が好きって言うよりは馬のグッズが好きなんだな。
あれ?もしかして、俺の携帯ストラップにも馬が付いてるの、気付いてなかった?」
「そうだっけ?
でも、なんでそんなに馬…じゃない、馬グッズが好きなの?」
「なんでって…ま、確かにこんな事になったのには理由があるっちゃーある。
実はな……ま、座れよ。」
部屋の真ん中の狭い空間には、馬の柄の座布団が二つ並べてあった。
私と俊はそこに座り、無数の馬達に取り囲まれながら、落ち付かない気分で私は俊の話を聞いた。
元はといえば、幼い俊が近所の家の引っ越しの時に捨てられてた馬の置物をみつけた事だったらしい。
当時の俊の家は悲しい程に貧乏だったそうで、捨てられたゴミはどれもまだどこも傷んでいない良いものに見え、思わず、足を停めてしまったのだという。
その中でも一際俊の目をひいたのが、馬の置き物だった。
片足を上げた赤銅の馬は雄雄しく美しく、持ってみるとずっしりと重く、それがますます上等なものに感じられたそうだ。
俊は、その馬が無性に気に入り、あたりをうかがいながら走って家に持ち帰った。
彼の両親も、お金持ちのその家にあった物だったらきっと運が良い筈だと言い、その馬は早速俊の家の玄関に飾られることになった。
本当に、そんな縁起の良いものだったのか、それとも単なる思い込みの力なのか、不思議な事にそれから俊の家はどんどん経済状態が良くなっていった。
そうなると、家族の馬信仰はどんどんとエスカレートし、皆が馬のグッズをみつけては買って来るようになり、それが積もり積もって、ついにこんなことになってしまったのだという。
「馬鹿馬鹿しいと思うかもしれないけど、本当に馬って縁起が良いものらしいんだ。
仕事運やら家庭運やらが良くなるらしいんだけど、それって幸せになれるってことだよな。」
「幸せ?」
「だってさ、一生懸命に良い仕事が出来て、愛する家族がいること以上に幸せなことなんてないじゃん。
恵と家族になれるように導いてくれたのも馬じゃないかって思ってるんだ。」
あまりにも馬のパワー(?)を信じてる彼に苦笑しながらも、そんなウマい事を言われて嬉しくない筈はない。
所狭しと飾られた馬グッズが、ほんの少し可愛く感じられた。
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