ラッキーアイテムお題短編集1

ルカ(聖夜月ルカ)

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デジカメ(ふたご座)

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(…後は、どこにあったかな…)



私は、重い足を引きずりながら、電化製品の安い店を頭の中に思い浮かべた。
このあたりには大きな家電店は一つしかない。
小さな家電店は確かいくつかあったけど、普段通い慣れていないとどうも入りにくい。
それに、どう考えてもそういったお店よりは、大きな家電店の方が安いように思える。



(もう一度ネットで見てみようかな…)

そう思いながらも、せっかくだからもう一軒、普段は滅多に行く事のない大きなスーパーの家電コーナーに寄ってみることにした。







(あれ?おかしいなぁ…
確か、こっちのはずだったのに…)

うろ覚えだったためか、私は道を間違ってしまったらしく、なにやらおかしな場所に出てしまった。
突然、住宅がなくなり、広い草むらのような空き地の中央に細い道が続いている。
しかもその道は進めば進むほど迷路のように入り組んでおり、延々と草むらが続くばかりで、店もなければ家もなく、もちろんすれ違う人さえいない。
馬鹿馬鹿しいとは思いつつも、私にはそれがどこか違う世界のように感じられ、急に不安が込み上げた。



そんな時、不意に道が拓け、目の前に古めかしい雑貨屋のような店が見えた。
あの店で、道を尋ねよう!
そう考え、私は店の中に飛びこんだ。



店の中は外観と同様に、古めかしい雑貨で埋め尽されていた。
その中に、ただ一つ、他のものとの調和を乱す、まるで新品のようなデジカメをみつけた。
手にとってみた所、デザインはおしゃれで液晶もそれなりに大きい。
本体には傷の一つもなく、しかも、値段は信じられない程に安い。



「それはね…」

不意に声をかけられ振り向くと、そこには子供と間違える程小柄な老婆が立っていた。
私が驚きから覚めるのも待たず、老婆は言葉を続けた。



「中古品なんですよ。
それに、箱も説明書も保証書もなければ日本製でもない。
そうは言っても、もちろんどこも壊れてなんていませんよ。
ちゃんと綺麗に写せるし、保存も出来る。
普通のデジカメにはない機能もついてるんです。」

「そ…そうなんですか…」

老婆はじっと私をみつめていた。
おそらくここには滅多に人が来ないから、なんとか買わせようとしているのだろうと思えた。
ここに入ったのも何かの縁…壊れてたなら壊れてたで良い。
道を聞く代金だと思い、私はそのデジカメを購入した。

実をいうと私はデジカメを探していた所だったので、たった珈琲一杯分程の値段で買えたのは嬉しかったのだけど、その値段の安さから考えて、おそらく壊れているのだろうと思っていた。
そうでなければ、いくら説明書等がないとしても、そんな値段でデジカメが買える筈がないのだから。 
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