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神社のお守り(いて座)
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「はぁぁぁ~…」
「もう~っ!
溜め息なんてやめなさいよ!
久し振りに会ったっていうのに、全然盛りあがらないし、もしかして私に会いたくなかったの!?」
「ち、違うって~!」
私は、必死になって百子をなだめ、そして、私が久し振りの再会にも元気が出ない理由を話した。
それは受験のこと。
間際になって先生の勧めで、ちょっと上のランクの大学も受験することになったのだけど、やっぱり私には無理っていうのか…
プレッシャーばかりが大きくなって、最近では勉強してもちっとも身が入らない。
自分だけがすごく遅れてるんじゃないかとか、勉強の仕方が間違ってるんじゃないかとか、そんなことばかり考えてしまい、最近は気分がすっかり落ちこんでいるということを…
「……なるほど。
七美は今年受験だったんだねぇ…」
百子とは子供の頃からの仲良しだった。
中学入学前に百子一家は引っ越してからも、ずっと手紙やメールでの交流が続いてて、その間には会う事もあった。
確か、この前に会ったのは高校に入学する直前の春だったから、今日会うのは約三年ぶりのこと。
あの時は、私はようやく合格が決まりほっとしてた頃で…百子は中学からエスカレーター式の女子校に通ってるから、私みたいな受験の苦しみは全くないことが羨ましく感じられたものだった。
今度はまだ受験の前だから、そんな気持ちはなおさら大きい。
結局、私は百子に心の中にたまってた愚痴を聞かせるばかりで、別れた後でそのことをとても後悔した。
(百子はわざわざこっちまで出て来てくれたのに、愚痴聞いてもらうだけなんて、私って本当に最低…)
百子はけっこうはっきりとものを言う子だけど、その分、優しいし面倒見も良い。
同じ年なのに、私なんかよりずっとしっかりしてて…その上、お金持ちだし、頭も良いのにそういうことを少しも自慢しない。
とっても信頼出来る親友なのだ。
でも、正直言ってそんな百子に対してコンプレックスのようなものも感じてる。
だからこそ、なんとか良い方の大学に合格して自信をつけたいというのもあったのだけど、今の雰囲気ではそれはかなり難しいことのように思える。
もう受験までそれほど時間がないのだから…
それから、数日が経った頃、百子から郵便が届いた。
(わぁ…!)
手紙を読んだ私は思わず、同封されていたものを両手で握り締めた。
中に入っていたのは古ぼけたどこにでもありそうなお守りだった。
だけど、それはただのお守りではなく…
なんでも、絶対に合格出来る奇蹟のお守りらしく、オークションで販売されていたものを百子の友人が落札して彼氏に渡した所、高い競争率を突破して見事受かったという代物だそうだ。
百子はその話を思い出し、友達に話をつけて、その彼氏から譲ってもらったということだった。
「もう~っ!
溜め息なんてやめなさいよ!
久し振りに会ったっていうのに、全然盛りあがらないし、もしかして私に会いたくなかったの!?」
「ち、違うって~!」
私は、必死になって百子をなだめ、そして、私が久し振りの再会にも元気が出ない理由を話した。
それは受験のこと。
間際になって先生の勧めで、ちょっと上のランクの大学も受験することになったのだけど、やっぱり私には無理っていうのか…
プレッシャーばかりが大きくなって、最近では勉強してもちっとも身が入らない。
自分だけがすごく遅れてるんじゃないかとか、勉強の仕方が間違ってるんじゃないかとか、そんなことばかり考えてしまい、最近は気分がすっかり落ちこんでいるということを…
「……なるほど。
七美は今年受験だったんだねぇ…」
百子とは子供の頃からの仲良しだった。
中学入学前に百子一家は引っ越してからも、ずっと手紙やメールでの交流が続いてて、その間には会う事もあった。
確か、この前に会ったのは高校に入学する直前の春だったから、今日会うのは約三年ぶりのこと。
あの時は、私はようやく合格が決まりほっとしてた頃で…百子は中学からエスカレーター式の女子校に通ってるから、私みたいな受験の苦しみは全くないことが羨ましく感じられたものだった。
今度はまだ受験の前だから、そんな気持ちはなおさら大きい。
結局、私は百子に心の中にたまってた愚痴を聞かせるばかりで、別れた後でそのことをとても後悔した。
(百子はわざわざこっちまで出て来てくれたのに、愚痴聞いてもらうだけなんて、私って本当に最低…)
百子はけっこうはっきりとものを言う子だけど、その分、優しいし面倒見も良い。
同じ年なのに、私なんかよりずっとしっかりしてて…その上、お金持ちだし、頭も良いのにそういうことを少しも自慢しない。
とっても信頼出来る親友なのだ。
でも、正直言ってそんな百子に対してコンプレックスのようなものも感じてる。
だからこそ、なんとか良い方の大学に合格して自信をつけたいというのもあったのだけど、今の雰囲気ではそれはかなり難しいことのように思える。
もう受験までそれほど時間がないのだから…
それから、数日が経った頃、百子から郵便が届いた。
(わぁ…!)
手紙を読んだ私は思わず、同封されていたものを両手で握り締めた。
中に入っていたのは古ぼけたどこにでもありそうなお守りだった。
だけど、それはただのお守りではなく…
なんでも、絶対に合格出来る奇蹟のお守りらしく、オークションで販売されていたものを百子の友人が落札して彼氏に渡した所、高い競争率を突破して見事受かったという代物だそうだ。
百子はその話を思い出し、友達に話をつけて、その彼氏から譲ってもらったということだった。
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