深淵に眠る十字架

ルカ(聖夜月ルカ)

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scene 2

「探しものは何か?」

悪魔は問うた。

「人だ。オルジェという少年を捜している」

トレルはしぶしぶ答える。

悪魔はランプを地面に置くと、長い爪で土を引っ掻くように文字を書き出した。

ブツブツと呟くように、何かを口の中で唱えている。


「黒い髪、碧い瞳の持ち主………おや?」


「どうした?」

「この少年でしたか」

悪魔から意外な反応が返ってきた。

「もしかして、見かけたのか?」

「ラグラの森の入口付近で、小妖精(リュタン)を肩に乗せた人間とすれ違った。今どきヤツらの姿が見える人間がいるんだなと思ったから、よく覚えておる」

「小妖精…?じゃあ、オルジェはラグラの森に入って行ったって事だな」

それが分かれば、悪魔にもう用はない。

急いで後を追おうとすると、フォーラスは再びトレルの服の裾を引っ張った。

「待たれよ」

「何だ」

苛立つ目で睨むと、

「追っても無駄だ」

悪魔特有のニタニタと薄気味悪い笑みを、フォーラスは暗闇の中で浮かべる。

「どういう事だ」

「小妖精は自分の姿が見える者を、村に招き入れる。招かれた人間は彼らの願いを叶えるまで、そこから出られなくなるのだから」

 
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