深淵に眠る十字架

ルカ(聖夜月ルカ)

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scene 3

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ホープシーの村はずれにある大木の下に腰を下ろしたオルジェの肩から、リンクはピョンと地面に飛び降りた。


それから棒切れを拾うと、おもむろにオルジェの周囲に文字を書き始める。


「おい、リンク。何やってるんだ?」


真剣な表情でせっせと作業を進めるリュタンに、オルジェは話しかけた。

「お前、気がついてないのか」

「?」

オルジェはその言葉に、首を傾げる。

「ボクたちの後をついてくるやつがいるんだ」

「オレたちの後を?」

「あぁ。ホープシーに入る少し前からな」


リンクに言われ、彼はキョロキョロと周囲を見回したが、そんな人影は見当たらなかった。


「気のせいなんじゃねーの?こんな路銀もほとんど持ってなさそうな人間の後をつけてなくても、金持ってそうなやつはいくらだって…」

そこまで言って、オルジェは言葉を切る。

それからリンクが完成させた魔法陣を見た。


「物盗り相手に魔法陣は必要ない…だろ?」


聞きつつも、雰囲気を察したのかオルジェの顔が強張る。

「ただの物盗りじゃ、ないのか?」

「違うな」

短く答えると、再びリンクはオルジェの肩によじ登った。

「もうすぐそいつがボクたちを追ってココへ来る。この魔法陣はボクたちの姿を消すものだ。相手がこの場所に近づいてきたら、合図を出す。そしたらオルジェ、息を止めるんだ」


「息を?」


「気配を完全に消さないと、見つかってしまうからな」

「なぁ、一体オレたちの後をつけてきているヤツって何なんだ」

「今に分かるさ。ほら、こっちへやって来るぞ」


リンクが指差す方向から、ゆっくりと黒い影が近づいてくるのが見えてきた…………。 

 
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