深淵に眠る十字架

ルカ(聖夜月ルカ)

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scene 5

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エルスールへの憎しみは頂点に達していたが、今のフォーラスにはどうすることも出来ない…
だんだんと薄れていく意識の中で、フォーラスはエルスールへの復讐を誓った…



「エルスール、どこに行ってたんだ。
遅かったじゃないか…」

エルスールは黙ってトレルの目の前に解毒薬を差し出した。

「なんだ、これは?」

「解毒薬だ。
これを飲めばすぐに楽になる。」

「これを取りに行ってくれていたのか…
ありがとう、エルスール。」

「まだあるぞ。……これだ…」

「これは…?」

エルスールはおかしそうにくすくすと笑っている。

「おかしなことだな。
普通の人間なら、宝石は男が女にやるものなのに…」

「見事な宝石じゃないか。
こんなもの、一体どうしたんだ?」

「そんなことはおまえが気にすることではない。
金に困ったら、売って足しにでもすれば良い。」

「本当に良いのか?」

「ああ、構わぬ。しまっておけ。」

フォーラスの解毒薬はさすがによく効いた。

夜には、今までの不快な症状がまるで嘘のように身体が軽くなった。

「これでまた明日からオルジェを追うことが出来る。」

「もう少し休んだ方が良いのではないか?」

「いや、もう大丈夫だ。あまり休んでいると追いつけなくなるからな。
…それと、明日からは俺一人で行くから…」

「なぜだ?
私と一緒の方が何かと都合が良いぞ。」

「いや、ここまで来れば、オルジェ達をみつけるのはそう難しいことではないと思う。
それにな、オルジェは妙に勘が良いんだ。
おまえのことを悪魔だと気付いてしまうかもしれない。
そうでなくても、オルジェはリュタンと一緒だからな。」

「……そうか。
では、また何かあったら、すぐに私を呼ぶのだぞ…」

次の朝、エルスールと分かれたトレルは一人でホープシーの町へ向かった。

先を急ごうかとも思ったのだが、万一ということもある。
本当にオルジェがこの町に立ち寄ったかどうかを確認しておこうと思ったのだ。
話を聞いてみると、何日か前にオルジェらしき男が町にいたことがわかった。

「そういえば、あんたと同じ男を探してる娘がいたよ。」

「どんな女ですか?」

「どんなって…あんたよりは年下だと思うけど、とにかく威勢の良い女の子だったよ。」

(ケイトだ!!)
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