深淵に眠る十字架

ルカ(聖夜月ルカ)

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「う…ん」

「どうした、ルシファー?
眠ってて良いんだよ。」

家に着いた頃、今まですやすやと眠っていたルシファーが不意に目を覚ました。



「ママ、ぼく、ミルクが飲みたい。」

「おなかがすいたの?
じゃ、今、温めてあげるから待ってなさい。」

「ぼくもお手伝いする~!」

「そう?じゃあ、お願いするわね。」



台所へ行く二人の後ろ姿を、トレルは目を細めてみつめていた。



「ケイトもすっかり母親だな。」

「そうだな。あれでルシファーがごく普通の子供だったら、何も言う事はなかったのにな…」

「ルシファーの中の悪魔は、いつの日か俺が必ず祓ってみせる!
もうラグスの時のような失敗は二度としない。
今度こそは…俺がこの命をかけて、必ず…!」

「命を賭けるだなんて…そんなことを言うのはやめてくれ。
おまえがいなくなったら、私はその先どうしたら良いんだ。」

「悪魔とは思えない言葉だな…
俺が死んだら、俺の魂はおまえが好きにしたら良い。」

「ば、馬鹿なことを言うな!
私が、おまえを守る!
死なせることなど絶対にさせない!」

「ありがとう、エルスール…」

トレルとエルスールの唇が、甘く重なる。



「出来たよ~!」

温かい湯気ののぼるミルクの入ったカップを乗せて、ルシファーがワゴンを押して持って来た。



「ぼく、お手伝いしたよ!」

「ありがとう、ルシファー。
おまえは本当に良い子だな。」

「ぼくのはお砂糖いリ。
ママやおじちゃん達のはお酒を入れてきたよ。」

「ありがとう、早速いただくよ。」

「ルシファー、ミルクを飲んだらもう寝るのよ。」

「はい、ママ!」



(トレル…私はミルクはちょっと…)

(せっかくルシファーが持って来てくれたんだ。
少しだけでも飲んでおけよ。)

(……わかった。)



「ルシファー、おいしいよ。」

「ありがとうな、ルシファー。」

しばらくすると、三人は突然激しい睡魔に襲われた。



「ルシファー…お酒はいっぱい…いれたのか…?」

トレルのその言葉を聞いたのを最後に、エルスールもそしてケイトもその場で深い眠りに落ちていた。

 
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