魔法使いの沼地

ルカ(聖夜月ルカ)

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シューラルフィール

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「まるで、天国みたいだね…」

色とりどりの花々が絨毯のように咲きほこり、あたりには甘い香りが仄かに漂っていた。
耳に届くのは、木々の葉ずれの音と小鳥のさえずり…
リオは、その光景に目を細め、幸せそうに微笑んだ。



「シューラルフィールさん、どうもありがとうございます。
マリアンもきっと喜んでると思います。」

「別に礼を言われるようなことじゃないよ。
一度作ったものの方が却って手間がかからないから、同じものにしただけだから。」

「フィー……そういう言い方は良くないよ。」



数日後、シューラルフィールの沼地は大きな変貌を遂げていた。
魔力を集めるための沼はほんの一部になり、そこは以前よりも強力で完璧な結界によって守られた。
間違えて足を踏み入れる者は今後はもういないだろうと思われる程に、しっかりと。
これから先、多くの人間達に喜ばれるであろう場所に変わったこの沼地の一角に、シューラルフィールはマリアンとリオが短い幸せの時間を過ごしたあの花畑を作った。
それは、ダーニアスでもリオの希望でもなく、シューラルフィールの意志で作られたものだった。



「リオ、もう少しゆっくりしていけば良いのに…」

「ありがとう。
でも、旅ばっかりしてると、つい…ね。」

「ま、僕もすぐに出掛けるつもりだけど…
これだけのことをやったから、フィーも疲れてるだろうからもうしばらくしてからになりそうだよ。」

「いつか、またどこかの町で会えると良いな。」

「……きっと、会えるさ。じゃ、それまで元気でね!」

ダーニアスとリオ、そしてシューラルフィールは、代わる代わる固い握手を交わした。



「じゃ、良いね?
あそこに飛ばすよ。
エルマーも良いかい?」

「良いわよ。」

シューラルフィールが呪文を唱えると、エルマーとリオ、ラルフの身体は一瞬にしてエルマーの住む森の入口に運ばれた。



「……さすがにシューラルフィールね。
呪文だけでここまでやれるとは…」

エルマーは肩をすくめて微笑む。



「じゃあ、エルマーさん、どうぞお元気で…」

「あなたやラルフもね。
また、なにかあったらいつでも遊びに来てちょうだい。」

エルマーに手を振り、その姿が小さくなると、リオとラルフは森とは逆の方へ歩き始めた。

 
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