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信じられないことが起きました。

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「あの…さゆ…」
 「なんでわかったかわかる?」


 私が話しかけたら、そこにさゆみの声が重なった。



 「えっ?」

 「だから…いつもとは全然違うのに、なんであんただってわかったかっていうのは、キースさんがそれだけあんたに関心を持ってたからだよ。
つまり、気になる存在だったってこと。」

 「……え?」



そ、そんな…まさか……
でも、確かにさゆみの言うことは筋が通ってる。
……って、だから、調子に乗っちゃいけないんだってば!



 「ねぇ、付き合おうとか言われなかったの?」

 「そんなわけあるはずないじゃん!」

 「じゃあ、連絡先、聞かれたりしなかった?」

 「ないない、そんなもの…あ……」

 私はあのことを思い出した。



 「何?何かあったの?」

 「えっと…実は…ね。
 別れ際に、キースさんが言ったんだ。
 『クラウン、ギタリスト、天使』って…」

 「なにそれ?」

 「私もわからないよ。
わかったら偉いって…キースさん、そう言ってたけど、何のことだか全然わからないよね。」

 「ね?もしかして、それってメアドじゃない?」

 「メアド?」

 「きっと、そうだよ!
ちょっと待ってて!」

 「さゆみ…何するつもりなの?さゆみ?」

けれど、さゆみからの返事はなかった。 
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