39 / 401
憧れのパリにて
1
しおりを挟む
「だからやなぁ…」
あぁ、なんで伝わらへんねん!?
そりゃあ、俺は、ボンジュールとウィとノンしか知らんで。
でも、せやからゆうて、フランスに行ったらあかんてゆう法律はあらへんやろ。
言葉がしゃべられへんかて、行きたい国に遊びに行くんは自由や。
そら、がさつな俺にフランスは合わへんかもしれんけど、こう見えて、割りと俺はロマンチストなんや。
せやから、ベルサイユ宮殿やらセーヌ川が見たかったんや。
シャンゼリゼ通りをグレープ食べながら歩いてみたかったんや。
それのどこが悪いんや!?
あっちこっち観光して、疲れたさかい、ちょっと休もかなと思て入ったおしゃれなカフェ。
俺は、糖分補給にアイスが食べたなったんや。
せやから、さっきから、「アイスクリーム!」て何度もゆうてんのに、ここの店員は相当ぼんくららしくて、何べんゆうても理解しよらへん。
「にいちゃん、よう聞きや。
俺はアイスが食べたいねん。
あ・い・す・く・り・い・む!」
わかりやすいようにゆっくりゆうても、今度もやっぱりわからへんみたいや。
ここまで来たら、俺は意地でもアイスを食べんで!
でも、俺はフランス語がまったくあかん。
どないしたらええんや!?
(……せや!)
その時、俺の頭にええ考えが浮かんだ。
せやせや。
ローマ字があったやないか。!
確か、ローマ字は世界に通じるはずや!
『aisukuriimugatabetai』
俺は、カバンの中から鉛筆を取り出し、ローマ字で書いたメモをにいちゃんに見せた。
なのに、にいちゃんは頭をひねるばかりやった。
「にいちゃん、頼むで。なんでわかれへんねんな!」
ローマ字は万国共通とちごたんか?
(あ!)
俺はメモにアイスの絵を描いた。
ガラスの器に、丸いバニラアイス…その上に生クリームを一絞りしてさくらんぼを乗せて、ウェハースを添えるとゆう昭和感満載のアイスの絵を。
にいちゃんは、ぐらすとかなんとかゆうて店の奥に引っ込んだ。
なんやなんや?通じたんか?
「おぉっ!それや、それ、それ!」
にいちゃんが持って来たんは、さくらんぼもウェハースも乗ってへんけど、確かにアイスやった。
そうか、万国共通なんはローマ字やのうて、絵~やったんやな。
(ああ、おいし…)
ようやく食べられたアイスは、格別美味しいような気がした。
あぁ、なんで伝わらへんねん!?
そりゃあ、俺は、ボンジュールとウィとノンしか知らんで。
でも、せやからゆうて、フランスに行ったらあかんてゆう法律はあらへんやろ。
言葉がしゃべられへんかて、行きたい国に遊びに行くんは自由や。
そら、がさつな俺にフランスは合わへんかもしれんけど、こう見えて、割りと俺はロマンチストなんや。
せやから、ベルサイユ宮殿やらセーヌ川が見たかったんや。
シャンゼリゼ通りをグレープ食べながら歩いてみたかったんや。
それのどこが悪いんや!?
あっちこっち観光して、疲れたさかい、ちょっと休もかなと思て入ったおしゃれなカフェ。
俺は、糖分補給にアイスが食べたなったんや。
せやから、さっきから、「アイスクリーム!」て何度もゆうてんのに、ここの店員は相当ぼんくららしくて、何べんゆうても理解しよらへん。
「にいちゃん、よう聞きや。
俺はアイスが食べたいねん。
あ・い・す・く・り・い・む!」
わかりやすいようにゆっくりゆうても、今度もやっぱりわからへんみたいや。
ここまで来たら、俺は意地でもアイスを食べんで!
でも、俺はフランス語がまったくあかん。
どないしたらええんや!?
(……せや!)
その時、俺の頭にええ考えが浮かんだ。
せやせや。
ローマ字があったやないか。!
確か、ローマ字は世界に通じるはずや!
『aisukuriimugatabetai』
俺は、カバンの中から鉛筆を取り出し、ローマ字で書いたメモをにいちゃんに見せた。
なのに、にいちゃんは頭をひねるばかりやった。
「にいちゃん、頼むで。なんでわかれへんねんな!」
ローマ字は万国共通とちごたんか?
(あ!)
俺はメモにアイスの絵を描いた。
ガラスの器に、丸いバニラアイス…その上に生クリームを一絞りしてさくらんぼを乗せて、ウェハースを添えるとゆう昭和感満載のアイスの絵を。
にいちゃんは、ぐらすとかなんとかゆうて店の奥に引っ込んだ。
なんやなんや?通じたんか?
「おぉっ!それや、それ、それ!」
にいちゃんが持って来たんは、さくらんぼもウェハースも乗ってへんけど、確かにアイスやった。
そうか、万国共通なんはローマ字やのうて、絵~やったんやな。
(ああ、おいし…)
ようやく食べられたアイスは、格別美味しいような気がした。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
側妃の愛
まるねこ
恋愛
ここは女神を信仰する国。極まれに女神が祝福を与え、癒しの力が使える者が現れるからだ。
王太子妃となる予定の令嬢は力が弱いが癒しの力が使えた。突然強い癒しの力を持つ女性が異世界より現れた。
力が強い女性は聖女と呼ばれ、王太子妃になり、彼女を支えるために令嬢は側妃となった。
Copyright©︎2025-まるねこ
不機嫌な侯爵様に、その献身は届かない
翠月るるな
恋愛
サルコベリア侯爵夫人は、夫の言動に違和感を覚え始める。
始めは夜会での振る舞いからだった。
それがさらに明らかになっていく。
機嫌が悪ければ、それを周りに隠さず察して動いてもらおうとし、愚痴を言ったら同調してもらおうとするのは、まるで子どものよう。
おまけに自分より格下だと思えば強気に出る。
そんな夫から、とある仕事を押し付けられたところ──?
お姫様は死に、魔女様は目覚めた
悠十
恋愛
とある大国に、小さいけれど豊かな国の姫君が側妃として嫁いだ。
しかし、離宮に案内されるも、離宮には侍女も衛兵も居ない。ベルを鳴らしても、人を呼んでも誰も来ず、姫君は長旅の疲れから眠り込んでしまう。
そして、深夜、姫君は目覚め、体の不調を感じた。そのまま気を失い、三度目覚め、三度気を失い、そして……
「あ、あれ? えっ、なんで私、前の体に戻ってるわけ?」
姫君だった少女は、前世の魔女の体に魂が戻ってきていた。
「えっ、まさか、あのまま死んだ⁉」
魔女は慌てて遠見の水晶を覗き込む。自分の――姫君の体は、嫁いだ大国はいったいどうなっているのか知るために……
旦那様の愛が重い
おきょう
恋愛
マリーナの旦那様は愛情表現がはげしい。
毎朝毎晩「愛してる」と耳元でささやき、隣にいれば腰を抱き寄せてくる。
他人は大切にされていて羨ましいと言うけれど、マリーナには怖いばかり。
甘いばかりの言葉も、優しい視線も、どうにも嘘くさいと思ってしまう。
本心の分からない人の心を、一体どうやって信じればいいのだろう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる