あれこれ短編集2

ルカ(聖夜月ルカ)

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大学デビュー

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今日から、私も大学生。
大学までは、電車で最寄り駅から5つ目の駅で降りる。
短い時間だけど、一人での通学は、ちょっと寂しい。



いつも私の傍にはりっちゃんがいた。
小学校も中学も高校も。
雨の日、晴れた日、どんな時もりっちゃんと一緒に通学した。
本当は、大学もそうなるはずだった。
りっちゃんの家にあんなことが起きなければ、私達はこの電車に乗って、今まで通り、二人で通学していただろう。



でも、りっちゃんは引っ越してしまい、就職した。
新たな場所で、楽しくやってるかな?
新しい職場で、りっちゃんには友達が出来るだろうか。
そしたら、私の事なんて忘れてしまうかな?
そんなことを思ったら、ちょっと切ない。



大学の前には記念撮影をしてる親子がいた。
大学生にもなって、親と一緒に入学式なんて恥ずかしいと思ってたけど、意外と親と来てる子がいる。
気にすることもなかったかな?



講堂にはたくさんの新入生が集まっていた。
知ってる子がいないか、あたりを見渡してみたけれど、いないみたい。
今頃になって、りっちゃんがいなくなった寂しさを強く感じる。
りっちゃん…どうしてるかな?
りっちゃんも私がいなくて寂しいと思ってくれてるかな?



「ここ、良いですか?」

「あ、どうぞ。」

私の隣にポニーテールの女の子が座った。
キリッとした顔立ちの綺麗な子だ。



淡々と入学式が進んでいく。



「退屈よね。早く終わらないかな。」

独り言なのか、私に向かって話したのか分からない。



「……そうですね。」

わからないから、小さな声で同意してみた。



「終わったら、一緒にランチに行かない?」

「え?あ、あぁ、そうですね。」

「あなた、このあたりのこと知ってる?」

「ほとんど知らないです。」

「私もなんだ。
じゃあ、冒険がてら、良いお店を探してみようか。」

「そうですね。」



とても気さくな人だ。
しかも、積極的。
りっちゃんとは違うタイプの人だけど、嫌いでは無い。



「あ、私、野上さゆみ、よろしくね。」

「あ、三木優香です。よろしくお願いします。」

「優香か、可愛い名前だね。
私のことは、さゆって呼んで。」

「は、はい。」



いきなり、『さゆ』は呼びにくいな。
やっぱり、ちょっと苦手なタイプかも。
でも、名前交換もしてしまったし、ランチも約束してしまったから仕方ないよね。



やっぱり、りっちゃんが良かったな。
私のそばに居るのは、りっちゃんが一番良い。
そんなこと思っても、現実は変わらない。



りっちゃんも頑張ってるんだから、私も頑張らないとね。
無理やりにそう思った。
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