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「あの…嫌われてるっていうのは…」

 「え?うん、そのまんまだけどね。
 僕が生まれた頃、兄さんたちはすでに実家にはいなかったんだけど、母が後妻に入ってからは、お正月にも家には来なくなった。
まぁ、ごくたまぁ~に、法事とかで顔を合わせるくらいだったね。
 年も離れてるし、僕は、まともに話したことさえなかったし、正直言って、兄弟って言う実感もないんだ。
あ、でも、恨んでるとかそういう気持ちもないんだよ。
だって、ほとんど年が変わらない女性が母親になるなんて、そりゃあ、誰だっていやだよね。
その気持ちは僕もわかるから。
でも、両親にとってはやっぱり悲しい話だし、それで、うちではいつしか兄さんたちの話はタブーになったんだ。
 言っておかなくてごめんね。」

 「い、いえ、そんな……」

そういえば、結婚式の時も、いつの間にかいなくなってたよね。
 結婚前にも、仕事が忙しいからって、会わせてもらえなかったし。
そっか…こういう事情があったんだね。
 柊司さんには、けっこう根深い家庭環境があったんだ。
これからは気を付けなきゃ。
でも、我が家にはこういう悩みはまったくないから、なんだかちょっと不思議な気分。
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