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電車の中でも、女性たちの視線は柊司さんに集まる。
それは、けっこうあからさまなものなのに、柊司さんは全く気にしていない。
 気にしてないのか、気が付いていないのか?
とても気になる…でも、訊けない。
 訊いたらきっと簡潔に答えてくれるんだろうけど、なんとなく訊き辛い気がしてしまうのは、私が考え過ぎなだけなのかな?



 電車に乗ってる間もあれこれと私たちは他愛ない会話を交わし…

「あ…次の駅で降りますよ。」

 「そうなんだ。
 楽しみだなぁ…」



 電車に揺られてた小一時間、私は周りの視線を気にし過ぎて少々気疲れしたけど、柊司さんは元気いっぱいだ。
そういうところがまた柊司さんらしいんだけどね…
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