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「それだけじゃない。
もうひとつ、気付いたことがあるんだ。」

 「何ですか?」

 「僕は、今まで全然自覚がなかったんだけど…
今まで僕が付き合った女性も、そして仲が良かった友達も、みんな美男美女なんだよ。
もしかして、僕って面食いだったんだろうか?
どう思う?」

 「え~……えっと……」



 確かに、八重樫さんはすっごいイケメンで、由紀子さんもすっごく美人で…
言われてみれば、柊司さんのご両親も…特にお母さんは美人だもんね。
 柊司さんは小さい頃から美男美女に囲まれて育ったんだね。



じゃあ、私みたいなのは、やっぱり好きになるはずないよね。
もしくは、一流の料理を食べ尽くした人が、ジャンクフードを初めて食べて妙にハマってしまうようなケース?



 「柊司さんの場合は、たまたまなんじゃないですか?
 類は友を呼ぶって言いますし、たまたま美男美女が集まって来ただけじゃないでしょうか?
それに、もしも面食いだったら……いくら仮初めの関係だとしても、私なんかと結婚するはずはないと思いますよ。」

 「……僕……君のこと、けっこう可愛いと思ってるんだけど……」

 「えっ!?」

 柊司さん、何、言ってるの?
 私、ドキドキして来たんですけど…
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