17 / 130
揺れる心
12
しおりを挟む
*
「今日はこれをお願いします。」
あの日から数日経って、私はまたあの古本屋さんを訪ねた。
そして、長編ファンタジーの2巻から10巻を買った。
「面白かったでしょう?」
「はい、すっごく!
続きが読みたくてたまらなくなって…」
「好きなジャンルじゃないものにも面白いものはあるでしょう?」
「え?え、ええ、そうですね!」
袋に本を入れてくれる間、ほんの少し交わされる他愛ない会話…
だけど、それだけで私の胸は弾む。
弾み過ぎて、先日、純文学と歴史ものが好きだって言ってたことをつい忘れてた。アブナイ、アブナイ…
でも、こないだ程の緊張もなく、顔が強張ることもなかった。
他の二冊も面白かったけど、長編ファンタジーの第1巻は殊の外面白かった。
続きが読みたくてたまらなかったというのは嘘でもなんでもない、ごく率直な感想。
これはきっと最新刊まで読むのをやめられない。
「1350円になります。」
お金を払う間に、ふと傍らに伏せられたあの人の読んでる本のタイトルが見えた。
『水面』
人気お笑いコンビの一人が書いた、今、話題の小説だ。
大きな文学賞の候補にもなっている。
こんな本まで読んでるなんて、本当にこの人、雑食なんだ…そんなことを思いながら、あの人の横顔をじっとみつめる。
私は帰りに駅前の本屋さんに立ち寄り、『水面』を購入した。
ふだんだったらきっと買わない本。
芸能人の書いたものには、どうも軽いという独断に近い偏見があって、今まで買ったことはなかったのだけど、どうしてもあの人と同じ世界を共有したくて、私はその本を手に取った。
「今日はこれをお願いします。」
あの日から数日経って、私はまたあの古本屋さんを訪ねた。
そして、長編ファンタジーの2巻から10巻を買った。
「面白かったでしょう?」
「はい、すっごく!
続きが読みたくてたまらなくなって…」
「好きなジャンルじゃないものにも面白いものはあるでしょう?」
「え?え、ええ、そうですね!」
袋に本を入れてくれる間、ほんの少し交わされる他愛ない会話…
だけど、それだけで私の胸は弾む。
弾み過ぎて、先日、純文学と歴史ものが好きだって言ってたことをつい忘れてた。アブナイ、アブナイ…
でも、こないだ程の緊張もなく、顔が強張ることもなかった。
他の二冊も面白かったけど、長編ファンタジーの第1巻は殊の外面白かった。
続きが読みたくてたまらなかったというのは嘘でもなんでもない、ごく率直な感想。
これはきっと最新刊まで読むのをやめられない。
「1350円になります。」
お金を払う間に、ふと傍らに伏せられたあの人の読んでる本のタイトルが見えた。
『水面』
人気お笑いコンビの一人が書いた、今、話題の小説だ。
大きな文学賞の候補にもなっている。
こんな本まで読んでるなんて、本当にこの人、雑食なんだ…そんなことを思いながら、あの人の横顔をじっとみつめる。
私は帰りに駅前の本屋さんに立ち寄り、『水面』を購入した。
ふだんだったらきっと買わない本。
芸能人の書いたものには、どうも軽いという独断に近い偏見があって、今まで買ったことはなかったのだけど、どうしてもあの人と同じ世界を共有したくて、私はその本を手に取った。
0
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる