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新たな恋
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「吉村さん…良かったら、今度の日曜日、薔薇を見に行きませんか?」
いつものように本を買いに行った時、唐突にそんなことを言われてしまった。
「……え?」
「あ、あの…今、薔薇が見ごろらしいんですよ。
気候も良いことですし、ピクニックがてらどうかな?と思いまして…」
「は、はい、喜んで…!」
それは思いがけない誘いだった。
全く予期していないことだっただけに、びっくりして混乱して…
まともに照之さんの顔が見られなかったけど、反射的に返事はしていた。
「あぁ、良かった。
僕、前から見に行きたかったんですけど、ひとりだとなかなか足が向かなくて…
それに近いから、いつでも行けるって思うと、ますます行けないんですよね。」
「近くってどこなんですか?」
それは電車で三つほど先の駅の、山側にあるとのことだった。
「駅からは少し離れててバスで行かないといけないらしいんですけど、何万本かの薔薇が咲いているそうですよ。」
「それは素敵ですね。」
「ただ辺鄙なところみたいなので、近くにあんまりお店もないようです。
なにか食べるものを持って行った方が良いかもしれませんね。」
「それじゃあ、私がお弁当を作って行きます。」
「そんなこと…大変だからいいですよ。
コンビニかどこかで買えば…」
「いえ、私に作らせて下さい。
でも…お味は保証しませんよ?」
私がそう言うと、照之さんは笑ってくれた。
そして、日曜日には私が作ったお弁当を持って、薔薇園にピクニックに行くことに決まった。
料理はそんなに得意ってわけじゃないけど、とはいっても毎日職場にお弁当を作って持って行ってるから、慣れてるっていえば慣れてる。
もちろん、いつものお弁当よりはずっと気合いは入れるつもりだけど…
どんなお弁当を作ろうかと悩み半分、楽しみ半分で、私はお料理サイトを検索した。
「吉村さん…良かったら、今度の日曜日、薔薇を見に行きませんか?」
いつものように本を買いに行った時、唐突にそんなことを言われてしまった。
「……え?」
「あ、あの…今、薔薇が見ごろらしいんですよ。
気候も良いことですし、ピクニックがてらどうかな?と思いまして…」
「は、はい、喜んで…!」
それは思いがけない誘いだった。
全く予期していないことだっただけに、びっくりして混乱して…
まともに照之さんの顔が見られなかったけど、反射的に返事はしていた。
「あぁ、良かった。
僕、前から見に行きたかったんですけど、ひとりだとなかなか足が向かなくて…
それに近いから、いつでも行けるって思うと、ますます行けないんですよね。」
「近くってどこなんですか?」
それは電車で三つほど先の駅の、山側にあるとのことだった。
「駅からは少し離れててバスで行かないといけないらしいんですけど、何万本かの薔薇が咲いているそうですよ。」
「それは素敵ですね。」
「ただ辺鄙なところみたいなので、近くにあんまりお店もないようです。
なにか食べるものを持って行った方が良いかもしれませんね。」
「それじゃあ、私がお弁当を作って行きます。」
「そんなこと…大変だからいいですよ。
コンビニかどこかで買えば…」
「いえ、私に作らせて下さい。
でも…お味は保証しませんよ?」
私がそう言うと、照之さんは笑ってくれた。
そして、日曜日には私が作ったお弁当を持って、薔薇園にピクニックに行くことに決まった。
料理はそんなに得意ってわけじゃないけど、とはいっても毎日職場にお弁当を作って持って行ってるから、慣れてるっていえば慣れてる。
もちろん、いつものお弁当よりはずっと気合いは入れるつもりだけど…
どんなお弁当を作ろうかと悩み半分、楽しみ半分で、私はお料理サイトを検索した。
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