幸せの花が咲く町で

ルカ(聖夜月ルカ)

文字の大きさ
100 / 308
side 香織

しおりを挟む




 (なんだか……慌ただしい一日だったけど……楽しかったな……)



 私は、布団の中で今日起きたことを思い出していた。



あの時は本当にびっくりした。
いつも来られてるお父さんが、お迎えに来られてないからどうしたんだろうって思ってたら、それからすぐに来られて……それをみつけてお子さんが走り出されて……
そこに車が来たから、私は夢中で駆け出して……
私にあんな勇気があったなんて意外だった。
あの時は、とにかく考える間もなかったから、本能みたいなものだったのかもしれない。



お父さんは余程驚かれたのか、青い顔をして倒れてらっしゃって……
それは、体調が悪いせいだったかもしれない。
とても放っておけない様子だったから、私は二人をお送りすることにした。
そこは、このあたりでも大きなお屋敷が立ち並ぶ一角で、お二人のお家は日当たりが良くとても素敵なお家だった。
 広いお庭には花が咲き誇っていて……まるで天国みたいで……
絵に描いたような幸せな家族だと思った。



 家の中もとてもきれいに片付いていて、品の良い家具が並び、綺麗な花が飾られていた。
ただ、小太郎ちゃんのお部屋だけは少し散らかっていたけれど、そこ以外はどこも几帳面に片付けられていた。
 特に驚いたのは台所だ。
 引き出しの中も、冷蔵庫の中もきちんと整理され、どれも使いやすく配置されていた。
 奥様の姿はお家にはなくて、それを考えると、奥様はやっぱり入院されてるのかしら?と思ったりしてたけど、小太郎ちゃんが、ママはお仕事だと教えてくれた。
どうやら、奥様が外で働かれて、旦那様が家事をするスタイルを取られてるらしい。



 今日は、最近ではずっとしたことのなかった料理も作った。
 料理とはいっても、パンケーキを焼いたのと、オムライスと豚の生姜焼きと、ちょこっとしたものを作っただけ。
だけど、久しぶりに料理を作るのはけっこう楽しかったし、あんなに広くて気持ちの良い台所で作業するのはやっぱり気持ちが良かった。
それに、なんといっても小太郎ちゃんと奥様がものすごく喜んでくださったのが嬉しかった。
おいしいって言いながら、もりもり食べきって下さって……あんな風だと毎日でも作りたくなってしまう。
あ……奥様は、私の予想とは全く違うタイプの方で…見るからに華やかで、すごく元気で明るいサバサバした方だった。
 旦那様とのやりとりを見てても、かかぁ天下だっていうのがすぐにわかった。
 旦那様は、どこか繊細な感じがするおとなしいタイプだから、あんな風にしっかりした方の方が合うのかもしれない。 
 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました

結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】 今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。 「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」 そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。 そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。 けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。 その真意を知った時、私は―。 ※暫く鬱展開が続きます ※他サイトでも投稿中

お飾り王妃の死後~王の後悔~

ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。 王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。 ウィルベルト王国では周知の事実だった。 しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。 最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。 小説家になろう様にも投稿しています。

里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます

結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります> 政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~

深冬 芽以
恋愛
 交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。  2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。  愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。 「その時計、気に入ってるのね」 「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」 『お揃いで』ね?  夫は知らない。  私が知っていることを。  結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?  私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?  今も私を好きですか?  後悔していませんか?  私は今もあなたが好きです。  だから、ずっと、後悔しているの……。  妻になり、強くなった。  母になり、逞しくなった。  だけど、傷つかないわけじゃない。

お飾りの侯爵夫人

悠木矢彩
恋愛
今宵もあの方は帰ってきてくださらない… フリーアイコン あままつ様のを使用させて頂いています。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから

結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】 私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。 その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。 ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない 自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。 そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが―― ※ 他サイトでも投稿中   途中まで鬱展開続きます(注意)

処理中です...