天使からの贈り物・偽り

ルカ(聖夜月ルカ)

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偽り

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「あ、あとしばらく滞在することにしたから、よろしく頼むよ。」

「かしこまりました。」

「それと…」

「何か…?」

「あ…あぁ…なんでもないんだ。」



マージにハリーのことを話そうかと考えたジュリアンだったが、またあんな悲しい顔をされるかと思うと、やはり言うことは出来なかった。



ジュリアンは、昨日ハリーに教えてもらった場所に向かうと、早速、採掘作業を始めた。
これといって特別な石は出て来なかったが、一つだけ大きなガーネットがみつかった。



(これは、けっこう良質な石だ!
……あ、そうだ…!)

ジュリアンは、ガーネットを見ながら突然ひらめいたアイディアに一人ほくそ笑む…







いつもの酒場でジュリアンが飲んでいると、そこへハリーがやって来た。



「よう、ハリー!よく来てくれたな!
ちょうど良かった!」

「なにかあったのか?
実は、今日はちょっとあんたに頼みたいことがあってな。」

そう言いながら、ハリーはジュリアンの向かいに座った。



「俺に頼みたい事?一体、何なんだ?」

「俺は明日の朝、この町を発つ。
それで、俺がいなくなった後、これを…マージに渡してほしいんだ。」

そう言って、ハリーはジュリアンの前に大きめの封筒を差し出した。



「なんで自分で渡さないんだ?」

「それは…やっぱり言いにくいじゃないか。
頼むよ。」

「そうか、わかった。
で、中身は何なんだ?」

「たいしたもんじゃない。
それと、すまないんだが、俺がこの町を出て結婚することもあんたからマージに伝えてくれないか?」

「それも俺が言うのか?!」

「あぁ、頼むよ…
それじゃあ、俺、これからちょっと用があるから…
じゃあな!」

「あ…あぁ…」



そそくさとその場を立ち去るハリーの背中を見送り、ジュリアンは小さな溜め息を吐いた。



「あ~ぁ…やな役ひき受けちまったなぁ…
マージ、きっと哀しむだろうなぁ…」

宿への帰り道、ジュリアンは小さな声で呟いた。



『ならば、なぜ、断らなかった?』

「そうは言っても、ハリーもきっと俺以外に頼める奴がいなかったんだろうしなぁ…」

『おまえは本当にお人好しだな…』

「仕方ないだろ!
そういう性分なんだから…!
さてと、今夜は早めに寝るか…」

『早寝の割にはいつも起きるのは遅いんだな。』

「俺は、そういう体質なの!」



明日、マージにハリーの言伝を話さなくてはならないことを考えると心は重かったが、そんな悩みがあっても横になるとすぐに眠れるというのも、これまたジュリアンの体質だった。

 
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