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偽り
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『どうした?
なにかあったのか?顔が真っ青だぞ。』
「……マージが……」
『マージ?この宿屋の娘だな?
マージがどうかしたのか?』
ジュリアンは、ベッドに腰掛け、頭を抱えている。
「……俺が、マージを殺したんだ…」
『どういうことだ。
おまえはずっとこの部屋にいた。
マージを殺せるはずがないではないか。』
「でも、俺がマージを殺したんだ!」
ジュリアンは、涙を流しながら、これまでのいきさつをぽつりぽつりと話し始めた。
『なるほど…そういうことだったのか…
しかし、まだマージが自ら身を投げたかどうかさえわからんではないか。
たまたま、外の様子を見に行って足を滑らせたか、強風にあおられたということもある。
ハリケーンの時にはそうやって思いがけず命を落としてしまう者が必ずいるものだ。
それに、たとえ、マージが自ら死を選んだとしても、それはマージ自身が考えて出した結論ではないか。
おまえが責任を感じる必要はない。』
「おまえは本当に薄情な奴だな!
マージは自分で死を選んだに違いないさ。
それは、俺が、ハリーの嘘に気付かずにあんなことを言ってしまったことが原因なんだ。
俺が、もっと早くに本当の事に気付いていれば…」
『おまえは、ハリーやマージとはつきあいもほとんどないではないか。
そんなにすぐに相手の心の中まで見通せるはずがないだろう。』
「それでも、俺は気付かなきゃいけなかったんだ!!
俺のせいで…取り返しのつかないことになってしまったんだから…」
『……今なら、なんとか出来るかもしれない…』
「何をなんとかするって言うんだ!
マージは死んじまったんだぞ!
……あ……」
『思い出したようだな…』
「そ、そうか…
これだな!!」
ジュリアンは、皮袋からエレスチャルを取り出すと、両手でしっかりと握り締め、心を込めて石に祈りをかけた。
(どうか…!!
どうか、マージを助けてくれ…!!)
なにかあったのか?顔が真っ青だぞ。』
「……マージが……」
『マージ?この宿屋の娘だな?
マージがどうかしたのか?』
ジュリアンは、ベッドに腰掛け、頭を抱えている。
「……俺が、マージを殺したんだ…」
『どういうことだ。
おまえはずっとこの部屋にいた。
マージを殺せるはずがないではないか。』
「でも、俺がマージを殺したんだ!」
ジュリアンは、涙を流しながら、これまでのいきさつをぽつりぽつりと話し始めた。
『なるほど…そういうことだったのか…
しかし、まだマージが自ら身を投げたかどうかさえわからんではないか。
たまたま、外の様子を見に行って足を滑らせたか、強風にあおられたということもある。
ハリケーンの時にはそうやって思いがけず命を落としてしまう者が必ずいるものだ。
それに、たとえ、マージが自ら死を選んだとしても、それはマージ自身が考えて出した結論ではないか。
おまえが責任を感じる必要はない。』
「おまえは本当に薄情な奴だな!
マージは自分で死を選んだに違いないさ。
それは、俺が、ハリーの嘘に気付かずにあんなことを言ってしまったことが原因なんだ。
俺が、もっと早くに本当の事に気付いていれば…」
『おまえは、ハリーやマージとはつきあいもほとんどないではないか。
そんなにすぐに相手の心の中まで見通せるはずがないだろう。』
「それでも、俺は気付かなきゃいけなかったんだ!!
俺のせいで…取り返しのつかないことになってしまったんだから…」
『……今なら、なんとか出来るかもしれない…』
「何をなんとかするって言うんだ!
マージは死んじまったんだぞ!
……あ……」
『思い出したようだな…』
「そ、そうか…
これだな!!」
ジュリアンは、皮袋からエレスチャルを取り出すと、両手でしっかりと握り締め、心を込めて石に祈りをかけた。
(どうか…!!
どうか、マージを助けてくれ…!!)
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