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偽り
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「ハリー!!」
「ジュリアン!ちょうど良かった。
今あんたの所に行こうと思ってたんだ。
まだこの町にいてくれて良かったよ。」
「一体どういうことなんだ?!」
「ここじゃあ、なんだな。
俺の家に来なよ!」
(なぜ、ハリーがここに?!)
わけのわからないままに、ジュリアンはハリーの家について行った。
「酒でも飲むか?」
「いや、構わないでくれ。
それよりも、一体どうしたっていうんだ?
おふくろさんはいないようだが…」
ハリーは、ジュリアンの前に酒瓶とグラスを差し出した。
「あんたには、感謝してるよ。」
「感謝?なにが感謝なんだ?
それに今までどこに行ってたんだよ。」
「……まぁ、飲んでくれよ。」
そう言って、ハリーは自分もグラスの酒を一気にあおった。
「実はな…あんたの言ったことは間違っちゃいなかったんだ。」
「どういうことなんだ?」
「俺は、好きな女なんかいないって言ったけど…本当はいたんだ。
宿屋の娘・マージだ。
俺はゆくゆくはマージにプロポーズしようと思ってたんだけど、いろんな事情があってそうもいかなくなっちまった。
まず、マージに良い縁談話が舞い込んだんだ。
ケネスっていう大金持ちの男なんだ。
でも、その時は俺もまだ迷っていた。
ケネスほど贅沢な暮らしはさせてやれないだろうが、俺も出来るだけのことをしてマージを幸せに出来るんじゃないかと思ってた。
……ところが、この町を大きなハリケーンが襲い、宿屋はひどい被害を受けちまった。
修繕には相当の金がかかる。
その修繕費をどうするべきかと悩んでた所、ケネスが来てその金をポンと出してくれたんだ。
そんな時、炭坑の石炭が採れなくなった。
悪い時には悪いことが重なるもんで、その上おふくろが病気になっちまった。
もともと身体が丈夫な方ではなかったんだが、今までの無理が祟ったのか、急激に悪くなっちまったんだ。
俺には職もなくなり、病気のおふくろを抱えている。
そんな俺がマージを幸せになんて出来ると思うか?
ケネスは大金持ちで、しかも、ハリケーンのことを聞いてすぐに駆け付けるような優しい男だ。
こんな俺と結婚するよりも、ケネスと結婚した方が良いのは火を見るよりも明らかだ。
だから、俺は決めたんだ。
マージのことは諦めると…
そして、おふくろを連れてこの町を出ていこうと。」
「ジュリアン!ちょうど良かった。
今あんたの所に行こうと思ってたんだ。
まだこの町にいてくれて良かったよ。」
「一体どういうことなんだ?!」
「ここじゃあ、なんだな。
俺の家に来なよ!」
(なぜ、ハリーがここに?!)
わけのわからないままに、ジュリアンはハリーの家について行った。
「酒でも飲むか?」
「いや、構わないでくれ。
それよりも、一体どうしたっていうんだ?
おふくろさんはいないようだが…」
ハリーは、ジュリアンの前に酒瓶とグラスを差し出した。
「あんたには、感謝してるよ。」
「感謝?なにが感謝なんだ?
それに今までどこに行ってたんだよ。」
「……まぁ、飲んでくれよ。」
そう言って、ハリーは自分もグラスの酒を一気にあおった。
「実はな…あんたの言ったことは間違っちゃいなかったんだ。」
「どういうことなんだ?」
「俺は、好きな女なんかいないって言ったけど…本当はいたんだ。
宿屋の娘・マージだ。
俺はゆくゆくはマージにプロポーズしようと思ってたんだけど、いろんな事情があってそうもいかなくなっちまった。
まず、マージに良い縁談話が舞い込んだんだ。
ケネスっていう大金持ちの男なんだ。
でも、その時は俺もまだ迷っていた。
ケネスほど贅沢な暮らしはさせてやれないだろうが、俺も出来るだけのことをしてマージを幸せに出来るんじゃないかと思ってた。
……ところが、この町を大きなハリケーンが襲い、宿屋はひどい被害を受けちまった。
修繕には相当の金がかかる。
その修繕費をどうするべきかと悩んでた所、ケネスが来てその金をポンと出してくれたんだ。
そんな時、炭坑の石炭が採れなくなった。
悪い時には悪いことが重なるもんで、その上おふくろが病気になっちまった。
もともと身体が丈夫な方ではなかったんだが、今までの無理が祟ったのか、急激に悪くなっちまったんだ。
俺には職もなくなり、病気のおふくろを抱えている。
そんな俺がマージを幸せになんて出来ると思うか?
ケネスは大金持ちで、しかも、ハリケーンのことを聞いてすぐに駆け付けるような優しい男だ。
こんな俺と結婚するよりも、ケネスと結婚した方が良いのは火を見るよりも明らかだ。
だから、俺は決めたんだ。
マージのことは諦めると…
そして、おふくろを連れてこの町を出ていこうと。」
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