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偽り
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「そうだったのか…
あんたの気持ちはわかるような気がするぜ。
相手のことを考えたら、自分の気持ちを貫く事が良いことかどうかって悩むこともあるからな。」
「わかってくれるか…嬉しいよ。
近いうちに家のことを片付けて、この町を離れようと思ってた時にあんたに出会った。
あの時、あんたに言われたこと…本当に驚いたんだ。
帰ってからもあんたに言われたことが気になって頭から離れなくてな。
それで、ケネスのことを調べに行く事を決めたんだ。
あんたの言ったことがもし本当だったら…ケネスが酷い奴でマージが本当に自殺するようなことになったら、俺は悔やんでも悔やみきれないからな。」
「そ、それで?」
ジュリアンは、身を乗り出してハリーの話に聞き入った。
「それで、ケネスの住む町に行くまでに、病気に効くって噂の温泉があるんで、ついでにおふくろも連れて行ったんだ。」
「そうだったのか!
大きな荷物を持って出たって聞いたから、俺はてっきりあんた達がこの町を出て行ったのかと思ったぜ。」
「詳しい事情は誰にも言わなかったんだ。
ケネスの住む町に着いて、俺は奴の噂を聞いて回った。
それは、本当に驚くような内容だったんだ。
ケネスはとにかく女癖が悪く、まだガキの頃から女を犯しては、それを父親が金でもみ消したりしていたらしいんだが、中にはそれが原因で自殺した女もいたって話だ。
しかも、取り立ての時のケネスと来たら、まさに鬼だそうで、あの町でケネスのことを良く言う奴なんて一人もいなかった。
今までにも何度か結婚してた事があるらしいんだが、妻に暴力をふるったり女癖が原因で、皆、しばらくすると出て行ったらしいんだ。
出て行ったとされる者の中には、実は出て行ったのではなく殴り殺された者もいるって噂もあるらしい。
俺は、その話を聞いて震えが来たぜ。」
「そ、そんなに悪い奴だったのか!」
「あぁ、そうだ。
そんな恐ろしい奴にマージを渡すわけにはいかない。
ケネスの借金は俺がどんなことをしても働いて払ってみせる。」
「そして、マージを幸せにするんだな?!」
「そ…それは…」
ハリーの声は急に小さくなり、口ごもる。
「おいおい。この期に及んで、何を言ってやがるんだ!
あんたがマージを守っていかなくてどうするんだよ!」
「しかし…こんな俺なんかに…」
「安心しろ。
マージはあんたのことを愛してるから。
この前言っただろ?
あんたは愛する女と結婚して幸せになるんだって…」
「あ…あぁ…それじゃあ、マージは俺と結婚したら幸せになれるんだな?」
「あぁ、俺の予言は今まではずれたことがないんだからな!」
二人は顔を見合わせて笑った。
ハリーの笑顔はとても満ち足りたものだった。
あんたの気持ちはわかるような気がするぜ。
相手のことを考えたら、自分の気持ちを貫く事が良いことかどうかって悩むこともあるからな。」
「わかってくれるか…嬉しいよ。
近いうちに家のことを片付けて、この町を離れようと思ってた時にあんたに出会った。
あの時、あんたに言われたこと…本当に驚いたんだ。
帰ってからもあんたに言われたことが気になって頭から離れなくてな。
それで、ケネスのことを調べに行く事を決めたんだ。
あんたの言ったことがもし本当だったら…ケネスが酷い奴でマージが本当に自殺するようなことになったら、俺は悔やんでも悔やみきれないからな。」
「そ、それで?」
ジュリアンは、身を乗り出してハリーの話に聞き入った。
「それで、ケネスの住む町に行くまでに、病気に効くって噂の温泉があるんで、ついでにおふくろも連れて行ったんだ。」
「そうだったのか!
大きな荷物を持って出たって聞いたから、俺はてっきりあんた達がこの町を出て行ったのかと思ったぜ。」
「詳しい事情は誰にも言わなかったんだ。
ケネスの住む町に着いて、俺は奴の噂を聞いて回った。
それは、本当に驚くような内容だったんだ。
ケネスはとにかく女癖が悪く、まだガキの頃から女を犯しては、それを父親が金でもみ消したりしていたらしいんだが、中にはそれが原因で自殺した女もいたって話だ。
しかも、取り立ての時のケネスと来たら、まさに鬼だそうで、あの町でケネスのことを良く言う奴なんて一人もいなかった。
今までにも何度か結婚してた事があるらしいんだが、妻に暴力をふるったり女癖が原因で、皆、しばらくすると出て行ったらしいんだ。
出て行ったとされる者の中には、実は出て行ったのではなく殴り殺された者もいるって噂もあるらしい。
俺は、その話を聞いて震えが来たぜ。」
「そ、そんなに悪い奴だったのか!」
「あぁ、そうだ。
そんな恐ろしい奴にマージを渡すわけにはいかない。
ケネスの借金は俺がどんなことをしても働いて払ってみせる。」
「そして、マージを幸せにするんだな?!」
「そ…それは…」
ハリーの声は急に小さくなり、口ごもる。
「おいおい。この期に及んで、何を言ってやがるんだ!
あんたがマージを守っていかなくてどうするんだよ!」
「しかし…こんな俺なんかに…」
「安心しろ。
マージはあんたのことを愛してるから。
この前言っただろ?
あんたは愛する女と結婚して幸せになるんだって…」
「あ…あぁ…それじゃあ、マージは俺と結婚したら幸せになれるんだな?」
「あぁ、俺の予言は今まではずれたことがないんだからな!」
二人は顔を見合わせて笑った。
ハリーの笑顔はとても満ち足りたものだった。
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