天使からの贈り物・夢

ルカ(聖夜月ルカ)

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「ど…ど…どこだ、子供はっ?!
馬車道はここに間違いないな?!」

息を切らしたジュリアンがあたりを見回す。



『あぁ、ここのはずだ。
とにかく馬車が来たら、近くに子供がいないか見張っているしかないな。』

「よし、わかった!」

ジュリアンは、馬車が近付いて来る度に目を皿のようにしてあたりを見回した。

何台かの馬車が通過した後、不意に馬車道に小さなボールが転がって来た。



『ジュリアン、あそこだ!』

「えっ!」

ボールを追いかけて幼い男の子が突然走りこんで来たのだ。



「あっ!危ないっ!!」

馬車に接触しそうになる男の子を抱き抱え、ジュリアンはゴロゴロと馬車道を転がった。
馬車が止まり、心配そうな顔をした御者がジュリアンの方を振り返っている。



「いててて…おいっ!大丈夫か!」

ジュリアンに声をかけられた子供は大きな声で泣き出した。
しかし、見た所、どこにも怪我はないようだ。



「オスカー!!」

血相を変えた若い女性が子供の元へ駆け寄って来た。

「ママーーーー!!」

子供は、母親の胸に飛び込んだ。



『あの様子なら大丈夫そうだな。』

「あぁ…危ない所だったけどな…」

『しかし…おまえのその格好は大丈夫とはいえないな…』

「俺の格好…?」

ジュリアンの全身は茶色い泥にまみれていた。



「うわぁ…なんだ、こりゃあ…
……だが、アルドーの絵がバラバラになることを思えば、こんなもんなんともないさ。
とにかく今回は大成功ってわけだな。
さ、宿に帰ってシャワーでも浴びるとするか…」

立ち上がったジュリアンに若い母親が何度も礼を述べた。



『ジュリアン、アルドーはどうする?
あのまま待たせておいて良いのか?』

「あ、そうだったな!
もう大丈夫だろうから、また呼びに行くよ。」

ジュリアンは、アルドーの家に戻り、ライラが来られなくなったと言ってアルドーを連れ出した。
念には念を入れ、ライラの店に着くまでジュリアンはアルドーの傍を片時も離れない。



「ライラ!!」

「まぁ、アルドー!それにジュリアンさん…!
その姿は一体、どうなさったんですか?」

 「そんなことは気にしないでくれ。
それより、アルドー…ライラに言うことがあるんだろ?」

「え…あ…あぁ…
ライラ!ついに完成したんだ!
明日、コンテストに出す絵が完成したんだよ!」

「出来たのね!
アルドー、お願い!早く見せて!」

「あぁ、もちろんさ!」



布をはずされた絵を見て、ライラは言葉を失った。
言いたいことが言葉に出来ず、その代わりにライラの瞳からは熱い涙があふれてこぼれた。

 
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