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002. 囚われた娘
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アンソニーと私は幼馴染だ。
護衛隊長の息子ながら、アンソニーは家で本を読んだり、絵を描くのが好きなもの静かな男の子だった。
幼い頃の私はというと、どこから見ても女の子には見えず、小さな頃から剣術に夢中になっていた。
そんな正反対の私達は、なぜだかウマが合い、私はアンソニーと他愛ない話をするだけで、心が落ち着いたものだ。
私の父は、フォーランド王国では、知らない人がいない程の有名人だ。
その戦いぶりから、フォーランドの人喰い虎と異名をつけられ、皆から畏れ、崇められている。
ある戦いからの帰り、父は、森の中に捨てられていた私をみつけたそうだ。
そのまま放っておかれたら、きっと私は今こうして生きてはいないだろう。
「なぜ、私を引き取ったの?」
子供の頃、私は父にそう訊ねたことがあった。
「おまえの目が気に入ったからだ。
とても強い光を持ったおまえの目を見た時、私は、おまえを育てようと決めたんだ。」
父はそう答えた。
父は当時結婚していたが、子供がいなかった。
もしかしたら、病弱だった母は子供が産めない体だったのかもしれない。
だから、私を引き取ったのかもしれない…そんなことを思ったのは、12の年…母が亡くなった時のことだった。
最初は、父もごく普通の女の子をして私を育てるつもりだったらしい。
だけど、私は物心がついた頃から、剣術に関心を示したそうだ。
綺麗なドレスやお人形や髪飾りには何の関心も示さず、父の剣ばかり、気にしていたらしい。
そんな私に、父は剣術を教えるようになった。
「やるからには、本気でやれ。
女だからと言って、甘えるようでは、戦場で生き抜けない。
おまえにその覚悟はあるか?」
「はい、お父様。
私は、剣を持つ時は女だということを忘れます。」
護衛隊長の息子ながら、アンソニーは家で本を読んだり、絵を描くのが好きなもの静かな男の子だった。
幼い頃の私はというと、どこから見ても女の子には見えず、小さな頃から剣術に夢中になっていた。
そんな正反対の私達は、なぜだかウマが合い、私はアンソニーと他愛ない話をするだけで、心が落ち着いたものだ。
私の父は、フォーランド王国では、知らない人がいない程の有名人だ。
その戦いぶりから、フォーランドの人喰い虎と異名をつけられ、皆から畏れ、崇められている。
ある戦いからの帰り、父は、森の中に捨てられていた私をみつけたそうだ。
そのまま放っておかれたら、きっと私は今こうして生きてはいないだろう。
「なぜ、私を引き取ったの?」
子供の頃、私は父にそう訊ねたことがあった。
「おまえの目が気に入ったからだ。
とても強い光を持ったおまえの目を見た時、私は、おまえを育てようと決めたんだ。」
父はそう答えた。
父は当時結婚していたが、子供がいなかった。
もしかしたら、病弱だった母は子供が産めない体だったのかもしれない。
だから、私を引き取ったのかもしれない…そんなことを思ったのは、12の年…母が亡くなった時のことだった。
最初は、父もごく普通の女の子をして私を育てるつもりだったらしい。
だけど、私は物心がついた頃から、剣術に関心を示したそうだ。
綺麗なドレスやお人形や髪飾りには何の関心も示さず、父の剣ばかり、気にしていたらしい。
そんな私に、父は剣術を教えるようになった。
「やるからには、本気でやれ。
女だからと言って、甘えるようでは、戦場で生き抜けない。
おまえにその覚悟はあるか?」
「はい、お父様。
私は、剣を持つ時は女だということを忘れます。」
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