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009. 封印
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「えーーーーっ!やだよ。
何か、起こったらどうすんだよ。
それにみつかったら…」
「リングイード、君は男のくせに本当に怖がりだなぁ。
そんなに小心者じゃ、出世なんて出来ないぜ。」
「僕は勉強だってちゃんとしてるし、君より出世するチャンスは大きいと思うけど。」
リングイードはそう言って、僕を冷ややかな瞳でみつめた。
「そこがだめな所だな。
勉強してたら出世出来るなんて思ってるあたりが、全然駄目だ。
そんなことよりも大切なものがあるとは思わないか?
…そう!たとえば探究心や勇気や冒険心…!」
「探究心や勇気や冒険心…?」
「そうさ!
僕達はまだ若いんだ!
若いうちから勉強だけして大人の言う事をちゃんと聞くようじゃ、大物にはなれないよ!」
「大物ねぇ…
僕は、別にそんなもの目指してはないんだけど…」
「じゃあ、夜中に迎えにくるから、またな!」
「お、おい!エンパナーダ!
僕は行くなんて、一言も…
……あ~あ、行っちゃった…」
*
僕達の言う「あそこ」とは「封印の洞窟」と言われる場所。
森の中にあるごく普通の洞窟なんだけど、とにかくそこには絶対に近付いてはいけないと言われている。
近付いたら、「大変なことになる」とか「恐ろしいことになる」って言われてるんだけど、それがどんなに大変で恐ろしいことなのかは、大人達も教えてくれなかった。
しかも、洞窟の前にはいつも二人の番兵さんが怖い顔をして立ってるんだ。
そんなわけだから、そこへ近付く奴なんてほとんどいないんだけど、僕はあそこのことがどうにも気になって仕方がなかった。
あんなに厳重に警戒してるってことは…もしかしたら、大人達が言ってるのとは逆のことなんじゃないかと疑ってる。
本当は、なにかものすごく楽しいものが隠してあるんじゃないかって気がしてるんだ。
だって、そうじゃなきゃ、どんな大変なことになるのか、どんな恐ろしい事になるのか、もっと具体的に話してくれるはずじゃない?
そして、今夜、僕はリングイードと共に、何度目かのチャレンジをすることにしたんだ。
この前みつかった時には、広場の草むしりをさせられた。
それも、魔法は一切使わずにだよ!
あれは朝から晩までかかって本当に大変だったよ。
今度は、もっと酷い罰が与えられるかもしれないから、絶対みつからないようにしなくっちゃ!
何か、起こったらどうすんだよ。
それにみつかったら…」
「リングイード、君は男のくせに本当に怖がりだなぁ。
そんなに小心者じゃ、出世なんて出来ないぜ。」
「僕は勉強だってちゃんとしてるし、君より出世するチャンスは大きいと思うけど。」
リングイードはそう言って、僕を冷ややかな瞳でみつめた。
「そこがだめな所だな。
勉強してたら出世出来るなんて思ってるあたりが、全然駄目だ。
そんなことよりも大切なものがあるとは思わないか?
…そう!たとえば探究心や勇気や冒険心…!」
「探究心や勇気や冒険心…?」
「そうさ!
僕達はまだ若いんだ!
若いうちから勉強だけして大人の言う事をちゃんと聞くようじゃ、大物にはなれないよ!」
「大物ねぇ…
僕は、別にそんなもの目指してはないんだけど…」
「じゃあ、夜中に迎えにくるから、またな!」
「お、おい!エンパナーダ!
僕は行くなんて、一言も…
……あ~あ、行っちゃった…」
*
僕達の言う「あそこ」とは「封印の洞窟」と言われる場所。
森の中にあるごく普通の洞窟なんだけど、とにかくそこには絶対に近付いてはいけないと言われている。
近付いたら、「大変なことになる」とか「恐ろしいことになる」って言われてるんだけど、それがどんなに大変で恐ろしいことなのかは、大人達も教えてくれなかった。
しかも、洞窟の前にはいつも二人の番兵さんが怖い顔をして立ってるんだ。
そんなわけだから、そこへ近付く奴なんてほとんどいないんだけど、僕はあそこのことがどうにも気になって仕方がなかった。
あんなに厳重に警戒してるってことは…もしかしたら、大人達が言ってるのとは逆のことなんじゃないかと疑ってる。
本当は、なにかものすごく楽しいものが隠してあるんじゃないかって気がしてるんだ。
だって、そうじゃなきゃ、どんな大変なことになるのか、どんな恐ろしい事になるのか、もっと具体的に話してくれるはずじゃない?
そして、今夜、僕はリングイードと共に、何度目かのチャレンジをすることにしたんだ。
この前みつかった時には、広場の草むしりをさせられた。
それも、魔法は一切使わずにだよ!
あれは朝から晩までかかって本当に大変だったよ。
今度は、もっと酷い罰が与えられるかもしれないから、絶対みつからないようにしなくっちゃ!
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