Gift

ルカ(聖夜月ルカ)

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010. 頂上

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 「ラシュカーン!」

メイサの呪文で、群れになって現れたモンスターたちが一気に燃え上がる。



 「ヨキュナ―ル!」

ハミルトンがそう唱えると、魔物によって傷付けられたゴードンの傷がみるみるうちにふさがった。



マリアーナ地方へは、実に楽な旅だった。
 久しぶりに会った気の合う仲間たちと、まさに物見遊山の楽しい旅となった。
しかし、目指すシロック山に近付いた頃から、道は険しくなり、魔物たちが姿を現すようになった。
 今までの楽しい気分はどこへやら…
皆、真剣に己の能力をフル活動させ、魔物に立ち向かった。



 *



 「今日はこのあたりで休むことにしよう。」

シロック山に入って、すでに一週間の時が流れていた。
 頂上に近付くにつれ、魔物たちは強く、多くなっていた。
 朝から暗くなるまで、四人はただひたすらに魔物を倒し続けた。



 「頂上へはあとどのくらいなの?」

 「多分、あと三日くらいだな…」

 「ハミルトン…魔力はあとどのくらい残ってる?」

 「頂上へ辿り着く前には、きっと強力な魔物が出て来ることでしょう。
その時の戦闘を考えれば、ギリギリといったところですね。」

 「メイサは?」

 「あたしもギリギリだね。あと数日は、極力魔力を使わないようにしないとね。
ゴードン、ライアン、任せたよ!」



そう…目的地の前には特に強い魔物が出て来るのが常だ。
そこで負けてしまっては、元も子もなくなる。
 麓の村で聞いた話によると、シロック山にはとても巨大で凶悪なドラゴンがいるという…
そいつを倒さない限り、オーギュストの箒は手に入らないのだ。

 
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