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034. 迷いの森の守護者
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「……当分は、あれで火が焚けるな…
……先日、早速、ミューズの後任を当たったのじゃが、皆、腰が痛いだのなんだのと言い訳をして、年配の妖精達は、わしの申し出を断ったのじゃ。
ミューズがやめてからもう一週間近く経ってしまった。
いくら仕事がないとはいえ、そう長い間、森を無人にしておくことは出来んからな。」
「なるほど!!
それで、エルミナに白羽の矢を立てられたということだったのですな!」
「そうじゃ、理由はもう一つあるが…」
「もう一つ…?はて?」
「忘れたのか?
あの森の祠のことを…」
「………あ…思い出しましたぞ!
それで、エルミナを選ばれたということなのですね!
さすがは長老様!」
長老とラヴァンは顔を見合わせて、微笑んだ…
*
「や…やっと着いた…ここが祠だな…」
そこは、エルミナの想像を遥かにしのぐ深い森だった。
森内部の地図を見ながら、やっとの思いで祠に着いたのは、あれから三日後のことだった。
「しかし、なんて森なんだ。
こりゃあ、地図をなくしたらとても外には出られなくなるぞ。」
独り言を言いながら、エルミナは祠の扉を開いた。
「な、な、なんじゃ、こりゃあ!
酷い…酷過ぎる…なんて散らかしようなんだ…
しかも、臭い…」
外から見ればごく小さなものに見えるその祠の中は不思議な空間と重なっており、異常な程に広い。
見回りに来る者がいないことから祠が汚い状況になっているという噂は以前耳にしたことはあったが、それは聞きしに勝る酷さだった。
床には物が散乱し、足を踏み入れる隙間さえない。
隅の方には赤い水玉模様の不気味なきのこが生えている。
また、別の一角には、ミューズが暇つぶしに作っていた木彫り像の木屑の山が天井までそびえたっていた。
森の守護者の任期は通常500年だが、もう何代も前から誰も片付けをしなかったため、もはや祠の中は収拾が着かない状況だ。
綺麗好きのエルミナならば、少しはマシにしてくれるだろうというのが長老のもう一つの狙いだったのだ。
(ミューズ様は一体どこで休んでおられたのだろう?)
そんな愚痴にも似た疑問を感じながら、エルミナは早速祠の掃除に取りかかった。
まずはすべてのものを外へ運び出し、隅から隅まで祠の掃除をする。
それだけで数ヶ月の歳月が流れた…
……先日、早速、ミューズの後任を当たったのじゃが、皆、腰が痛いだのなんだのと言い訳をして、年配の妖精達は、わしの申し出を断ったのじゃ。
ミューズがやめてからもう一週間近く経ってしまった。
いくら仕事がないとはいえ、そう長い間、森を無人にしておくことは出来んからな。」
「なるほど!!
それで、エルミナに白羽の矢を立てられたということだったのですな!」
「そうじゃ、理由はもう一つあるが…」
「もう一つ…?はて?」
「忘れたのか?
あの森の祠のことを…」
「………あ…思い出しましたぞ!
それで、エルミナを選ばれたということなのですね!
さすがは長老様!」
長老とラヴァンは顔を見合わせて、微笑んだ…
*
「や…やっと着いた…ここが祠だな…」
そこは、エルミナの想像を遥かにしのぐ深い森だった。
森内部の地図を見ながら、やっとの思いで祠に着いたのは、あれから三日後のことだった。
「しかし、なんて森なんだ。
こりゃあ、地図をなくしたらとても外には出られなくなるぞ。」
独り言を言いながら、エルミナは祠の扉を開いた。
「な、な、なんじゃ、こりゃあ!
酷い…酷過ぎる…なんて散らかしようなんだ…
しかも、臭い…」
外から見ればごく小さなものに見えるその祠の中は不思議な空間と重なっており、異常な程に広い。
見回りに来る者がいないことから祠が汚い状況になっているという噂は以前耳にしたことはあったが、それは聞きしに勝る酷さだった。
床には物が散乱し、足を踏み入れる隙間さえない。
隅の方には赤い水玉模様の不気味なきのこが生えている。
また、別の一角には、ミューズが暇つぶしに作っていた木彫り像の木屑の山が天井までそびえたっていた。
森の守護者の任期は通常500年だが、もう何代も前から誰も片付けをしなかったため、もはや祠の中は収拾が着かない状況だ。
綺麗好きのエルミナならば、少しはマシにしてくれるだろうというのが長老のもう一つの狙いだったのだ。
(ミューズ様は一体どこで休んでおられたのだろう?)
そんな愚痴にも似た疑問を感じながら、エルミナは早速祠の掃除に取りかかった。
まずはすべてのものを外へ運び出し、隅から隅まで祠の掃除をする。
それだけで数ヶ月の歳月が流れた…
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