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034. 迷いの森の守護者
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「長老、早いもんですなぁ…
エルミナが迷いの森に旅立ってから、もう505年…
しかし、任期が済んだというのに、なぜ、エルミナは戻っては来ないのでしょうか?」
「……きっと、忘れておるのじゃ。
まぁ、良いではないか。
また後任を探すのも手間がかかる。
いや、みつかるかどうかさえわからんぞ。
奴が、思い出して戻って来るまで、わし達も忘れていたことにしよう。」
「そうですな…」
長老とラヴァンは、呑気に村を散歩をしながら、そんな話を交わしていた。
その時、突然、太陽が遮られ、あたりは闇に包まれた。
「な、何事じゃ!」
「ちょ…長老!あれを!!」
ラヴァンが指差す先に浮かんでいたのは、大きな龍の姿だった。
「長老~~!!ラヴァン様~~!!」
何者かが龍の背で手を振っている。
やがて、龍はゆっくりと着地し、その背から降り立ったのはエルミナだった。
「エ…エルミナ!
こ、こ、この龍は!」
「遅くなって申し訳ございません!
実は、不覚にも森の地図をなくしてしまい、迷いの森から出るに出られず…こいつが空を飛べるように成長するのを待っていたらこんなにも遅くなってしまったのです。」
「な、な、なんじゃと?
そもそもこの龍はどうしたのじゃ?
もっと詳しく申せ!」
「はいっ!」
エルミナは、迷いの森に着いてからの出来事を、二人に詳しく話して聞かせた。
「な、な、なんと!
それは素晴らしい行いじゃ!
いや、わしは最初からおまえは普通の妖精ではないと思っていた。
だからこそ、数多くの妖精達の中から、おまえを迷いの森の守護者という重要な役目に抜擢したのじゃ。
やはり、わしの目に狂いはなかった!!」
長老は満面の笑みを浮かべて、エルミナの両手を握り締める。
「長老様、実はお願いがあるのです。
僕はこのままこいつと共に迷いの森の守護者を続けていきたいのですが…」
「な、なぬ!このまま森の守護者をとな?!
森の守護者になりたがっている者は山ほどいるのじゃ…おまえだけをえこひいきすることは…
ううむ、しかし、仕方がない!
わしがなんとかして皆を説得する故、おまえはこのまま龍と一緒に森に帰るが良い。
後のことは、わしが責任を持ってやっておく…」
「ほ、本当でございますか?!
ちょ…長老様、感謝致します!」
エルミナは感涙にむせび、長老に向かって何度も頭を下げた。
そして、龍の背に飛び乗ると、再び、迷いの森に戻って行った。
「……長老…あなたというお方は…」
呆れるラヴァンに長老はにっこりと微笑んだ。
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「長老、早いもんですなぁ…
エルミナが迷いの森に旅立ってから、もう505年…
しかし、任期が済んだというのに、なぜ、エルミナは戻っては来ないのでしょうか?」
「……きっと、忘れておるのじゃ。
まぁ、良いではないか。
また後任を探すのも手間がかかる。
いや、みつかるかどうかさえわからんぞ。
奴が、思い出して戻って来るまで、わし達も忘れていたことにしよう。」
「そうですな…」
長老とラヴァンは、呑気に村を散歩をしながら、そんな話を交わしていた。
その時、突然、太陽が遮られ、あたりは闇に包まれた。
「な、何事じゃ!」
「ちょ…長老!あれを!!」
ラヴァンが指差す先に浮かんでいたのは、大きな龍の姿だった。
「長老~~!!ラヴァン様~~!!」
何者かが龍の背で手を振っている。
やがて、龍はゆっくりと着地し、その背から降り立ったのはエルミナだった。
「エ…エルミナ!
こ、こ、この龍は!」
「遅くなって申し訳ございません!
実は、不覚にも森の地図をなくしてしまい、迷いの森から出るに出られず…こいつが空を飛べるように成長するのを待っていたらこんなにも遅くなってしまったのです。」
「な、な、なんじゃと?
そもそもこの龍はどうしたのじゃ?
もっと詳しく申せ!」
「はいっ!」
エルミナは、迷いの森に着いてからの出来事を、二人に詳しく話して聞かせた。
「な、な、なんと!
それは素晴らしい行いじゃ!
いや、わしは最初からおまえは普通の妖精ではないと思っていた。
だからこそ、数多くの妖精達の中から、おまえを迷いの森の守護者という重要な役目に抜擢したのじゃ。
やはり、わしの目に狂いはなかった!!」
長老は満面の笑みを浮かべて、エルミナの両手を握り締める。
「長老様、実はお願いがあるのです。
僕はこのままこいつと共に迷いの森の守護者を続けていきたいのですが…」
「な、なぬ!このまま森の守護者をとな?!
森の守護者になりたがっている者は山ほどいるのじゃ…おまえだけをえこひいきすることは…
ううむ、しかし、仕方がない!
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後のことは、わしが責任を持ってやっておく…」
「ほ、本当でございますか?!
ちょ…長老様、感謝致します!」
エルミナは感涙にむせび、長老に向かって何度も頭を下げた。
そして、龍の背に飛び乗ると、再び、迷いの森に戻って行った。
「……長老…あなたというお方は…」
呆れるラヴァンに長老はにっこりと微笑んだ。
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