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ルカ(聖夜月ルカ)

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035. 廃坑の秘密

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「ケンタロウ、君にも聞こえたんだよね?」

「あぁ、助けてって小さな声が…」

「僕もだ!」

「助けて?わて、もう一回行ってみるわ。」

ロッシーは、そんなことを聞いても怖がる様子はなく、一人で廃坑の中へ入って行った。



「あんた達って本当に弱虫ね!
怖い、怖いって思ってるからそんな幻聴が聞こえるのよ!」

最近では、ロッシーがいる時はなかなか姿を現さなくなっていたフェリーシアが不意に現れ、僕達に悪態を吐く。



「幻聴なんかじゃない!
本当に聞こえたんだ!
嘘だと思うなら、おまえも一緒に来いよ!」

「えっ!?」

「あれ…?もしかして、おまえ…怖いのか?」

「ち、違うわ!
そんなの怖くなんかないわよ!
い、いいわよ!行きましょう!」

僕らはもう一度廃坑の中に入った。
フェリーシアへの意地があったから、怖くても入れたのかもしれない。



「何も聞こえへんで。」

ロッシーは、平気な顔をして立っていた。



「助けて…」



ケンタロウと僕とフェリーシアの顔が同じように強張った。



「ほら、聞こえただろ?」

「い、いいえ、今のはきっと…」



「助けて…誰かそこにいるんでしょう?」

僕とケンタロウとフェリーシアは三人で顔を見合わせた。



「フェリーシア、本当はおまえも聞こえたんだろ!?」

フェリーシアもさすがに聞こえてないとは言えないようで、戸惑ったような顔をしてもぞもぞしていると、その時、あの声が意外なことを言ったんだ。



「フェリーシアって……まさかあの問題児のフェリーシア?」

「誰が問題児なのよ!
あんた、誰!」

フェリーシアは問題児扱いされて頭に来たのか、反射的に言い返した。
やっぱりちゃんと聞こえてたんだ。



「私よ、私、ラルシュ!」

「ラルシュ!?う、嘘ーーーー!」

フェリーシアは目をまん丸にして驚きの声を上げた。

 
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