Gift

ルカ(聖夜月ルカ)

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040. 月の慰め

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傷心のファビエンヌは、生きる気力さえ失いかけていた。
母の思い出の染みついた家にいるのがいやで、見知らぬ町へ引っ越した。
その町で、彼女はとテオドールという男性と出会う。
テオドールは、ファビエンヌの話を親身になって聞いてくれた。
優しい彼のおかげでファビエンヌはやっと母の死から立ち直る事が出来た。
仕事もみつかり、彼との交際も順調で二人は自然と結婚を考えるようになっていた。
テオドール自身は申し分のない相手だったが、彼には病気の母親がいた。
ファビエンヌにも実の娘のように接してくれる優しい女性だ。
彼の働いた金はすべて母親の治療費に消えてしまう。
手オドールの母親のことは好きだったが、せっかく元気になれたのに自分はやはり貧困と病からは逃れられない運命なのかと、ファビエンヌは胸の奥で失望していた。
そんな時、ファビエンヌはとローランいう男性と知り合った。
ローランは、陽気で明るい男性だった。
外見からも一目で彼が金持ちだということがわかった。
ローランは積極的にファビエンヌにアプローチをかけてきた。
いつも控えめなテオドールとはまるで正反対のローランが、若いファビエンヌにはやけに魅力的に感じられた。
ファビエンヌは、ローランとの結婚を決めた。
テオドールのことは少し胸が痛んだが、それでもローランと結婚出来てファビエンヌはとても幸せだった。
しかし、彼の両親や身内からはファビエンヌが貧しく親もいないことで馬鹿にされ苛められた。
だが、しばらくして二人の間には可愛い女の子が生まれた。
ローランもそのことをとても喜び、ファビエンヌはこれですべてが良い方向に進むと思った。
娘はアレクシアと名付けられた。
アレクシアが言葉を覚え可愛い盛りになった頃、その子の身体に変調が現れた。
やがて、アレクシアの病は日を追う毎に酷くなっていった。



(きっと私の病気が遺伝したんだわ…
それとも、テオドールにあんな仕打ちをしてしまったからなの?)



ファビエンヌはアレクシアの病気のことで自分を責めた。
ローランの態度は、彼女の病状の悪化と共に冷たいものに変わっていった。
挙句のはてに、ローランは愛人を屋敷に住まわせるようになり、ファビエンヌはもうこれ以上彼とはやっていけないことを感じた。

家を出たファビエンヌはアレクシアのため必死で働いた。
アレクシアには、借金をしてまで受けられる限りの治療を受けさせた。
その甲斐あって、長く生きられることはないだろうと言われていたアレクシアは16歳の誕生日を迎える事が出来た。



(そうだ…私が急に良くなったのも16歳の時だったわ…!
もしかしたらこの子も…)

そう期待したが、アレクシアはその数ヶ月後、ひっそりと息を引き取った。

ファビエンヌの心の中に大きな穴が空いた。
母が亡くなった時よりももっと大きく深い真っ暗な穴が空き、ファビエンヌを闇の世界に引きずり込もうとする。 
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