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045. ヤマタノオロチ
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深い緑色をした滝壷のまわりには、乳白色の靄がかかり、この世とは違う世界を感じさせる場所だった。
(ここが龍神の滝…)
「げっっ!」
滝壷を見渡していた剣四郎は思わず声をあげてしまった。
なぜなら、滝壷のすみっこに妙なものをみてしまったから…
ごしごしと目をこすり、深呼吸をしてから再び目を開けた。
「げっっ!」
妙なものも明らかに剣四郎の方を見ている…二人(?)の視線と視線が静かに絡み合う…
「げげげっっ!」
妙なものが剣四郎の方に向かって泳いで来るのを見て、剣四郎は腰を抜かしてその場にへたりこむ。
「……おい、そこの人間?」
「えええ?それって、俺のことですか?」
「当たり前だ、おまえしかおらんだろうが。
もしかして、おまえ、私の姿が見えているのか?」
「いえいえ、俺にはなにも見えてません。」
「嘘を吐くな!
見えるどころか、私の声も聞こえてるじゃないか!」
「いいーえ!俺にはなにも聞こえてません!」
「……そうか。……なら良い。」
恐ろしさのあまり、剣四郎はついそんな嘘を吐いてしまったのだった。
妙なものがまた帰って行こうとする後姿を見て、やっと剣四郎は己の本来の目的を思い出した。
「ま、まって!
見えてます!本当は見えてるし、聞こえてます!!
龍神様、カムバーーーック!」
剣四郎の声に龍神は一瞬立ち止まり、くるりと向き直ると再び剣四郎の元へ戻って来たのだった。
「私も忙しいのだ。余計な手間は取らせぬようにな。
それで、私に何用だ?」
「あの…実は…その…俺…」
「もじもじするな、気色の悪い。なんじゃ、おまえも縁結びか!」
「そ、そ、そうなんです!
女の恋人が欲しいんです!俺を裏切らなくて俺のことを理解してくれて俺だけを愛してくれる女の恋人が…!」
「そうか、わかった。」
「わかったって…俺のその願い叶えて下さるんですか?」
「まぁ、考えておく」
「そうじゃなくて、もっと真剣に…!」
「おまえのように私の姿が見える者は少ないし、叶えてやりたいのは山々なのだがな。
今の私ではどこまで出来るか…」
「どういうことなんですか?」
「話すと長くなるから面倒だ。」
「そんなこと言わずに教えて下さいよ!」
(ここが龍神の滝…)
「げっっ!」
滝壷を見渡していた剣四郎は思わず声をあげてしまった。
なぜなら、滝壷のすみっこに妙なものをみてしまったから…
ごしごしと目をこすり、深呼吸をしてから再び目を開けた。
「げっっ!」
妙なものも明らかに剣四郎の方を見ている…二人(?)の視線と視線が静かに絡み合う…
「げげげっっ!」
妙なものが剣四郎の方に向かって泳いで来るのを見て、剣四郎は腰を抜かしてその場にへたりこむ。
「……おい、そこの人間?」
「えええ?それって、俺のことですか?」
「当たり前だ、おまえしかおらんだろうが。
もしかして、おまえ、私の姿が見えているのか?」
「いえいえ、俺にはなにも見えてません。」
「嘘を吐くな!
見えるどころか、私の声も聞こえてるじゃないか!」
「いいーえ!俺にはなにも聞こえてません!」
「……そうか。……なら良い。」
恐ろしさのあまり、剣四郎はついそんな嘘を吐いてしまったのだった。
妙なものがまた帰って行こうとする後姿を見て、やっと剣四郎は己の本来の目的を思い出した。
「ま、まって!
見えてます!本当は見えてるし、聞こえてます!!
龍神様、カムバーーーック!」
剣四郎の声に龍神は一瞬立ち止まり、くるりと向き直ると再び剣四郎の元へ戻って来たのだった。
「私も忙しいのだ。余計な手間は取らせぬようにな。
それで、私に何用だ?」
「あの…実は…その…俺…」
「もじもじするな、気色の悪い。なんじゃ、おまえも縁結びか!」
「そ、そ、そうなんです!
女の恋人が欲しいんです!俺を裏切らなくて俺のことを理解してくれて俺だけを愛してくれる女の恋人が…!」
「そうか、わかった。」
「わかったって…俺のその願い叶えて下さるんですか?」
「まぁ、考えておく」
「そうじゃなくて、もっと真剣に…!」
「おまえのように私の姿が見える者は少ないし、叶えてやりたいのは山々なのだがな。
今の私ではどこまで出来るか…」
「どういうことなんですか?」
「話すと長くなるから面倒だ。」
「そんなこと言わずに教えて下さいよ!」
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