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ルカ(聖夜月ルカ)

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048. 追走劇

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「かんぱーい!」

クリントとジェシカは町の酒場で祝杯をあげた。



「あぁ~、美味い!」

「一山当てた後の一杯は酒は格別だな!」

二人共、ついさっきまでコンビ解消の危機にあったこと等忘れたかのように、穏やかでにこやかな表情をしている。



「なぁ、サンダー、あの宝石だけど、3つずつ選んで残りの1つを売って今後の路銀にするってのはどうだ?」

「良いね、そうしよう!」

今の二人の間には、どんな小さな揉め事も起きそうな様子はない。

万一酔いつぶれてせっかくのお宝を紛失しては大変だと、二人はほろ酔い気分の状態で店を出た。
宿に戻ると、テーブルの上に宝石を綺麗に並べ、それを前に買って来た酒を飲み始めた。



「サンダー、あんたが先に3つ選びな。」

「え…良いのかい?」

「あぁ、構わないさ。
好きなのを選びなよ。」

「ありがとう、クリント…じゃあ…」

ジェシカは次々と宝石を手に取り、角度を変えて眺め透かし、迷ったあげくにやっと3つを選び出した。



「じゃあ、私は赤と橙と黄色にするよ。」

「あんたらしいな…」

「どういう意味だよ?」

「いや…なんていうか…全部元気な色じゃないか。
あんたにぴったりだと思ってな。
じゃあ、俺は青と藍色と紫のをもらうぜ。」

「あんたらしいよ…」

「何が?」

「なんていうかクールで頑固って感じじゃない?
あんたにぴったりさ。」

「そうかな?」

「そうだよ。」

二人はわけもなく顔を見合わせて笑った。



「まぁ、なんでも良いさ。
じゃあ、明日この緑色の宝石を売ることにしよう!」

「そうしよう!そうしよう!
じゃあ、もう一度この宝石に乾杯だ!
今夜は夜通し飲むよ!」

「あぁ、ここなら宝石をなくす心配もないからな!
飲みまくろうぜ!」

二人のグラスがぶつかり、部屋の中に高い音が響いた。
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