Gift

ルカ(聖夜月ルカ)

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050. 過去・現在・未来

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ビリーが目を覚ますと、すぐに誰かが部屋に入ってくる靴音が聞こえた。

「兄さん、いるんだろ?
 鍵もかけないとはずいぶんと物騒なことだな!」

入って来たのは、ジョシュアだった。



「ジョシュア、ドリーンはもう運んだのか?」

隣のベッドに寝かせていたはずのドリーンの遺体がないことに気付いたビリーは、ジョシュアにそう尋ねた。



「運ぶ?それじゃあ、物みたいじゃないか。
ドリーンさんが聞いたら怒るぜ!
そんなことより、兄さん、風邪の具合はどうなんだ?」

「風邪…?あ…あぁ、大丈夫だと思う…
多分、大丈夫だ…」

「なんだよ、多分って…
まだ熱があるんじゃないのか?」



(まさか…これは昨日のことをやり直した世界なのか?
そうでなきゃ、ジョシュアがこんなに落ち付いてるはずがない。
服装だって昨日と同じだ。
…ってことは、ドリーンは…俺の妻はもうじき帰って来るんだな?)



「どうしたんだ、兄さん、ぼーっとして…」

「熱でふらついてちょっと頭をぶつけたせいか、頭がはっきりしないんだ…」

「そりゃあ、良くないな。
そのことはドリーンさんには言ったのか?」

「いや、心配させちゃ悪いかと思って言ってない…」

「女房に何を遠慮してるんだよ。
ちゃんと言わなきゃだめだろ。」

「そうだな…じゃあ、そうするよ。」

「あ…もう1時だな。
そろそろドリーンさんが帰ってくる時間じゃないのか?」

ジョシュアのその言葉に、ビリーは柱の掛け時計を見上げた。
1時3分前だった。



(あと3分だ!
その3分が何事もなけりゃドリーンは…)



「1時か…さては、おまえ、ドリーンの料理を目当てに来たんだな?」

「へへっ、バレたか…
ドリーンさんは料理がうまいからな。」

「ちゃっかりしてるな…まぁ、いいさ、三人で一緒に食べようぜ。」



その時、外で大きな物音が聞こえた。



「そ、そんな…まさかっ!
ドリーンッッ!!」

「どうしたんだ、兄さん!」

二人は、外へ飛び出した。



「まぁ、あなたたち…血相変えてどこへ行くの?」

「ド…ドリーン…
なんともなかったか?」

「えっ?何のこと?」

「い…いや、大きな音が聞こえたから、もしやおまえが馬車にでもひかれたんじゃないかと思って…」

ビリーは、ドリーンの身体を抱き締めた。



「なんだ、そうだったのか!
いきなり飛び出して行くからびっくりしたよ。
あ~あ、お熱いことだな、まったく…」

「そんなに心配してくれてたの?
あの音は馬車が曲がり角を曲がる時にバランスを崩しかけたのよ。
幸い大丈夫だったけど…」

「そうだったのか…とにかく無事で良かった…」

ビリーは、ドリーンの唇に自分の唇を重ねた。



「おいおい、兄さん、そういうことは俺のいない所でやってくれよ。
俺はまだ独身なんだからな!」

「おまえも早く良い人みつけろよ。
そして、俺達みたいに幸せになれよ!」

ビリーは、ドリーンの腰に手を回し嬉しそうに微笑んだ。

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