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065. 黄昏
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「ルークさん、これからどうしましょう?
まだ探しますか?」
太陽が傾きかけた頃、俺達の体力と気力も同じように傾いていた。
俺達はあの店のおやじに騙されたのかもしれない。
くだらない地図に大金を叩いてしまった俺達の事を、今頃あいつは笑っているのかもしれないぞ。
「畜生!」
俺は足元にあった小石を思いっきり蹴飛ばし、傍らにあった岩の上に腰掛けた。
「……ランスロット…どうやら俺達騙されたのかもしれないぜ。
これだけ探して何もみつからないんじゃ、ここにいても仕方なさそうだ。」
「そんな…ルークさん、諦めるのはまだ早いですよ!
明日はもう少し範囲を広めて……」
ランスロットの言葉がそこで急に途切れ、俺の向こう側の一点をみつめたまま動かなくなった。
その様子に、俺も身体をねじり後ろを向くと、少し離れた山肌の一部に不自然な形でオレンジ色の光が映し出されていた。
沈む夕陽の光が立ち並ぶ木々に阻まれて、光の一部だけが映っているわけだが、その光景はあまりにも奇妙なもので…そう、まるで小さな扉みたいで…
「ランスロット!」
「ルークさん!」
俺達は顔を見合わせ、同時に声を上げ、そのままその扉に向かって走り出していた。
「こ、これだ!!
ここが小人の村の入口だ!」
近付いてみると、それは確かに扉だった。
オレンジ色の光の扉だ。
本物の扉と同じくそこにはドアノブまでが付いていた。
「ルークさん、急がなければ!
おそらくこの扉は、夕陽が沈みきってしまうと消えてしまうはず…!」
「わ、わかった!」
本当にこいつは頭が良い。
きっとこの扉は奴の言う通り、この時間にしか開かないんだ。
俺は、高鳴る胸を押さえつつ、ついにドアノブに手をかけた。
「あれ…あかないぞ!」
扉は何度引っ張っても押しても開かない。
「ランスロット、ちょっと変わってみてくれ。」
ランスロットに変わってもらったが、それでも扉は開かない。
どうすりゃ良いんだ?!
焦ってる間にも扉の背は少しずつ低くなり、やがてあたりが暗くなると同時に扉もドアノブも消え失せた。
「畜生~!
あと少しだったのに…!」
あまりに悔しくて、俺は扉のあった場所を拳で叩いた。
「そんなことしたら、手が痛いだけですよ。
また明日出直しましょうよ。
場所がわかっただけでも良かったじゃありませんか。
さ、帰りましょう。」
こいつはなんでこうものわかりが良いんだろう…
なんで、苛々しないんだろう?
そんなことがカンに触って、俺は返事もせずに歩き出した。
「ルークさん、これからどうしましょう?
まだ探しますか?」
太陽が傾きかけた頃、俺達の体力と気力も同じように傾いていた。
俺達はあの店のおやじに騙されたのかもしれない。
くだらない地図に大金を叩いてしまった俺達の事を、今頃あいつは笑っているのかもしれないぞ。
「畜生!」
俺は足元にあった小石を思いっきり蹴飛ばし、傍らにあった岩の上に腰掛けた。
「……ランスロット…どうやら俺達騙されたのかもしれないぜ。
これだけ探して何もみつからないんじゃ、ここにいても仕方なさそうだ。」
「そんな…ルークさん、諦めるのはまだ早いですよ!
明日はもう少し範囲を広めて……」
ランスロットの言葉がそこで急に途切れ、俺の向こう側の一点をみつめたまま動かなくなった。
その様子に、俺も身体をねじり後ろを向くと、少し離れた山肌の一部に不自然な形でオレンジ色の光が映し出されていた。
沈む夕陽の光が立ち並ぶ木々に阻まれて、光の一部だけが映っているわけだが、その光景はあまりにも奇妙なもので…そう、まるで小さな扉みたいで…
「ランスロット!」
「ルークさん!」
俺達は顔を見合わせ、同時に声を上げ、そのままその扉に向かって走り出していた。
「こ、これだ!!
ここが小人の村の入口だ!」
近付いてみると、それは確かに扉だった。
オレンジ色の光の扉だ。
本物の扉と同じくそこにはドアノブまでが付いていた。
「ルークさん、急がなければ!
おそらくこの扉は、夕陽が沈みきってしまうと消えてしまうはず…!」
「わ、わかった!」
本当にこいつは頭が良い。
きっとこの扉は奴の言う通り、この時間にしか開かないんだ。
俺は、高鳴る胸を押さえつつ、ついにドアノブに手をかけた。
「あれ…あかないぞ!」
扉は何度引っ張っても押しても開かない。
「ランスロット、ちょっと変わってみてくれ。」
ランスロットに変わってもらったが、それでも扉は開かない。
どうすりゃ良いんだ?!
焦ってる間にも扉の背は少しずつ低くなり、やがてあたりが暗くなると同時に扉もドアノブも消え失せた。
「畜生~!
あと少しだったのに…!」
あまりに悔しくて、俺は扉のあった場所を拳で叩いた。
「そんなことしたら、手が痛いだけですよ。
また明日出直しましょうよ。
場所がわかっただけでも良かったじゃありませんか。
さ、帰りましょう。」
こいつはなんでこうものわかりが良いんだろう…
なんで、苛々しないんだろう?
そんなことがカンに触って、俺は返事もせずに歩き出した。
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