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ルカ(聖夜月ルカ)

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067. 手紙

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(そうだよな…僕がここで死んだら、母さんが頑張った甲斐がないよね…
でも、借金はもうどうしようもない程ある…
僕には返せそうにはない額だよ。
母さん…僕は一体どうしたら良いんだろう…?)

写真に向かって語りかける幸治の瞳からは大粒の涙がこぼれた。
今までずっと我慢していたものがぷつりと切れたような感触と同時に、幸治はその場に突っ伏して声をあげて泣いた。
まるで子供のように、苦しくて息が出来なくなる程、泣いて泣いて泣き尽くした。
そして、幸治はそのままその場で眠り込んでしまった…









雨上がりの空は青く澄み渡ってとても気持ちの良いものだった。
昨日買ったばかりの服を着て、真新しいスニーカーをはいて幸治はいつもの道を駅に向かって歩いて行く。
在来線で大きな駅まで向かい、そこから新幹線に乗り換えた。
新幹線に乗ったのは初めてだったので、幸治は少し弾んだ気分で車窓の景色を眺めていた。
目的の駅に着いて、そこからまた在来線に乗り換えた。
風景がどんどんとのどかなものに変わっていく。
少し眠気を感じながら、幸治は連結の少ない電車に揺られ、湿った風のそよぐ目的の駅に降り立った。

地図を見ながら歩いていくと、すぐに真っ白な砂浜が見えて来た。
夏にはたくさんの海水浴客が押しかけるのだろうなと考えながら、幸治は砂浜を歩く。
今まで海に来たことさえほとんどなかった幸治には、砂浜を歩く感触が珍しく楽しく感じられた。
歩いている途中でふと気付き、旅行鞄の中から母親の写真を取りだし、立ち止まって写真を海の方に向けた。
母親に青い海がよく見えるように…

今夜の宿が、砂浜の先に見えて来た。
足元に小さな白い貝殻をみつけ、幸治はそれをしゃがんで手に取る。
何の貝殻なのかはわからない小さな貝殻…

宿に着いた幸治は、早速、広い温泉に入り、ゆっくりと沈む夕陽を眺めた。
真っ赤な夕陽が、いつまでも残像として幸治の目の奥に焼き付いた。
温泉からあがると、今まで食べたことのないようなご馳走に舌鼓を打った。
めったに飲んだ事のないビールも少し飲んだ。
ほんの少ししか飲んでいないのに、幸治はすぐに眠気に襲われた。
食事を下げてもらうと、幸治は残っていたビールで母親の薬を全部飲んだ。



(母さん、父さん、今、逝くからね…)

幸治の瞳から一粒の涙がこぼれた。






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