490 / 697
069. 空の贈り物
3
しおりを挟む
「ここは、天界の空よ。」
「そ、空?!」
「そう!空!
ねぇ、ノルン、これを見て!」
「まぁ…!!
なんて素敵な石なのかしら?
これ、なんて石なの?」
「これは、この空で作ってみたの。」
「うそっ!
どうやって??それに色が違うわ!」
「この空にあなたを想う人々の愛を混ぜて作ったのよ…
そしたらこんなに綺麗な色になって…」
「私を想う人々…?」
「……あなた、最近ここにばかりいたから気付かなかったのね…
あなたのために、毎日毎日お見舞いに来てる人が…祈りを捧げてくれてる人がいるのよ…」
「……まさか…
私はもうだめだって思われてるんじゃ…」
「そんなことないわ。
いくらお医者様に駄目だって言われても、あなたが眠り続けていても、諦めない人達はたくさんいるのよ。
特に、あなたのご両親は、毎日あなたにどれほどの愛を降り注いでいることか…」
「パパやママが…?」
「…そうよ。あなたの身体に返ってみるとよくわかるわ。」
両親のことはすっかり忘れてた…
いや、あえて忘れようとして…だから身体からも離れていた。
そうでないと別れが辛いから…
ノルンは、手を広げ天界の青い空からダイブした。
守護天使の言った通り、白いもやがノルンの身体を優しく受け止めてくれた。
そしてそこからさらにダイブした。
今度は自分の身体へ返ることを念じながら…
「ノルン…今日はとっても良いお天気よ…」
母は、何も答えないノルンに何くれとなく話しかけ、時には手を握り、そして時には優しく頬擦りをしてくれていた。
日が沈むと父が来て、母と同じようなことをしていた。
「ノルン…元気になったら、今度は海に行こうな!
海でパパと一緒に釣りをしよう…!」
手を握りながら父親がノルンに語りかけていた。
「うっ……」
母親が突然泣き出した。
「泣くんじゃない!
俺達、決めたじゃないか!
たとえ世の中の人すべてが諦めても私達だけは諦めないって!
ノルンは絶対に目を覚ましてくれるって信じるって!」
そういう父の瞳にも涙が光っていた。
「あなた…」
2人は抱き合い、涙を流していた…
「そ、空?!」
「そう!空!
ねぇ、ノルン、これを見て!」
「まぁ…!!
なんて素敵な石なのかしら?
これ、なんて石なの?」
「これは、この空で作ってみたの。」
「うそっ!
どうやって??それに色が違うわ!」
「この空にあなたを想う人々の愛を混ぜて作ったのよ…
そしたらこんなに綺麗な色になって…」
「私を想う人々…?」
「……あなた、最近ここにばかりいたから気付かなかったのね…
あなたのために、毎日毎日お見舞いに来てる人が…祈りを捧げてくれてる人がいるのよ…」
「……まさか…
私はもうだめだって思われてるんじゃ…」
「そんなことないわ。
いくらお医者様に駄目だって言われても、あなたが眠り続けていても、諦めない人達はたくさんいるのよ。
特に、あなたのご両親は、毎日あなたにどれほどの愛を降り注いでいることか…」
「パパやママが…?」
「…そうよ。あなたの身体に返ってみるとよくわかるわ。」
両親のことはすっかり忘れてた…
いや、あえて忘れようとして…だから身体からも離れていた。
そうでないと別れが辛いから…
ノルンは、手を広げ天界の青い空からダイブした。
守護天使の言った通り、白いもやがノルンの身体を優しく受け止めてくれた。
そしてそこからさらにダイブした。
今度は自分の身体へ返ることを念じながら…
「ノルン…今日はとっても良いお天気よ…」
母は、何も答えないノルンに何くれとなく話しかけ、時には手を握り、そして時には優しく頬擦りをしてくれていた。
日が沈むと父が来て、母と同じようなことをしていた。
「ノルン…元気になったら、今度は海に行こうな!
海でパパと一緒に釣りをしよう…!」
手を握りながら父親がノルンに語りかけていた。
「うっ……」
母親が突然泣き出した。
「泣くんじゃない!
俺達、決めたじゃないか!
たとえ世の中の人すべてが諦めても私達だけは諦めないって!
ノルンは絶対に目を覚ましてくれるって信じるって!」
そういう父の瞳にも涙が光っていた。
「あなた…」
2人は抱き合い、涙を流していた…
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ガチャから始まる錬金ライフ
あに
ファンタジー
河地夜人は日雇い労働者だったが、スキルボールを手に入れた翌日にクビになってしまう。
手に入れたスキルボールは『ガチャ』そこから『鑑定』『錬金術』と手に入れて、今までダンジョンの宝箱しか出なかったポーションなどを冒険者御用達の『プライド』に売り、億万長者になっていく。
他にもS級冒険者と出会い、自らもS級に上り詰める。
どんどん仲間も増え、自らはダンジョンには行かず錬金術で飯を食う。
自身の本当のジョブが召喚士だったので、召喚した相棒のテンとまったり、時には冒険し成長していく。
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる