489 / 697
069. 空の贈り物
2
しおりを挟む
「ううん、もう良いのよ。
皆と離れるのは寂しいけど、仕方ないことだわ。
きっと、これが私の運命だったんだから…」
「ノルン~~!そんなこと言っちゃだめ!」
「ねぇ、守護天使さん。
もしかして、ここって天国?」
「どうしてわかったの?」
「やっぱりそうなんだ…
なんかそんな気がしたのよ。
すごく落ち着くんだもん。」
「でも、ここは正確には地上と天界の境目なの。」
「そっか~…
私、まだ完全に死んだわけじゃないもんね。
あ~あ、でも、こんなことならもっとおしゃれしとくんだった。
ほしいものもたくさんあったのに、私、我慢ばっかりして…」
「そうよね、ノルンはけっこう倹約家だもんね。
そういえば、パパに買ってもらった水色のワンピースも旅行の時には着て行かなかったわよね。
お天気が悪かったから汚しちゃもったいないって思ったのね。」
「その通りよ。さすがは私の守護天使ね。
それにしても悔しいわ!
一度でも着とくんだった!
あのワンピースを着て、そして綺麗なネックレスでも買って…」
「…ノルン、それがもう出来ないと決まったわけじゃないわよ。」
「気を遣ってくれなくても良いのよ…
守護天使さんは優しいのね…」
「ノルン…」
§§§§§§§§§§§§§§§§§§
「ノルン、お友達が来て下さったわよ!」
「ノルン、どうしてこんなことに…」
「ノルン…早く元気になって!」
「ノルン!目を覚ましてよ~!!」
ノルンの友達は、涙をこぼしながら、眠り続けるノルンに思い思いの言葉をかけた。
次の日には近所の人が…そのまた次の日には、先生が…
毎日、毎日、ノルンの所にはお見舞いに訪れる人が絶えなかった。
§§§§§§§§§§§§§§§§§§
「守護天使さ~ん!いないの~?」
「ここよ~~~!」
声のする方を見てみると、そこは高い高い雲の上だった。
「ノルンも来る~?」
「どうやってそこまで行くの~?」
「あ、そっか。ノルンは飛べないのね。
ちょっと待ってね!今、はしごを降ろすから…」
高い雲の間から、長い長い光のはしごがするすると降りてきた。
ノルンははしごを上っていく。
長い長い光のはしごを…
「ノルン!お疲れ様!」
「すごく高い所ね!
落ちたらどうしようって、心配しちゃった。」
「大丈夫よ。
ここは落ちてもなんともならないわ。
なんなら、今、落ちてみる?」
「いやよ。今、やっと上ってきた所ですもの。
それにしてもとっても綺麗な所ね!」
そこには深く鮮やかな青が一面に広がっていた。
皆と離れるのは寂しいけど、仕方ないことだわ。
きっと、これが私の運命だったんだから…」
「ノルン~~!そんなこと言っちゃだめ!」
「ねぇ、守護天使さん。
もしかして、ここって天国?」
「どうしてわかったの?」
「やっぱりそうなんだ…
なんかそんな気がしたのよ。
すごく落ち着くんだもん。」
「でも、ここは正確には地上と天界の境目なの。」
「そっか~…
私、まだ完全に死んだわけじゃないもんね。
あ~あ、でも、こんなことならもっとおしゃれしとくんだった。
ほしいものもたくさんあったのに、私、我慢ばっかりして…」
「そうよね、ノルンはけっこう倹約家だもんね。
そういえば、パパに買ってもらった水色のワンピースも旅行の時には着て行かなかったわよね。
お天気が悪かったから汚しちゃもったいないって思ったのね。」
「その通りよ。さすがは私の守護天使ね。
それにしても悔しいわ!
一度でも着とくんだった!
あのワンピースを着て、そして綺麗なネックレスでも買って…」
「…ノルン、それがもう出来ないと決まったわけじゃないわよ。」
「気を遣ってくれなくても良いのよ…
守護天使さんは優しいのね…」
「ノルン…」
§§§§§§§§§§§§§§§§§§
「ノルン、お友達が来て下さったわよ!」
「ノルン、どうしてこんなことに…」
「ノルン…早く元気になって!」
「ノルン!目を覚ましてよ~!!」
ノルンの友達は、涙をこぼしながら、眠り続けるノルンに思い思いの言葉をかけた。
次の日には近所の人が…そのまた次の日には、先生が…
毎日、毎日、ノルンの所にはお見舞いに訪れる人が絶えなかった。
§§§§§§§§§§§§§§§§§§
「守護天使さ~ん!いないの~?」
「ここよ~~~!」
声のする方を見てみると、そこは高い高い雲の上だった。
「ノルンも来る~?」
「どうやってそこまで行くの~?」
「あ、そっか。ノルンは飛べないのね。
ちょっと待ってね!今、はしごを降ろすから…」
高い雲の間から、長い長い光のはしごがするすると降りてきた。
ノルンははしごを上っていく。
長い長い光のはしごを…
「ノルン!お疲れ様!」
「すごく高い所ね!
落ちたらどうしようって、心配しちゃった。」
「大丈夫よ。
ここは落ちてもなんともならないわ。
なんなら、今、落ちてみる?」
「いやよ。今、やっと上ってきた所ですもの。
それにしてもとっても綺麗な所ね!」
そこには深く鮮やかな青が一面に広がっていた。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
初めまして婚約者様
まる
恋愛
「まあ!貴方が私の婚約者でしたのね!」
緊迫する場での明るいのんびりとした声。
その言葉を聞いてある一点に非難の視線が集中する。
○○○○○○○○○○
※物語の背景はふんわりしています。スルッと読んでいただければ幸いです。
目を止めて読んで下さった方、お気に入り、しおりの登録ありがとう御座いました!少しでも楽しんで読んでいただけたなら幸いです(^人^)
年に一度の旦那様
五十嵐
恋愛
愛人が二人もいるノアへ嫁いだレイチェルは、領地の外れにある小さな邸に追いやられるも幸せな毎日を過ごしていた。ところが、それがそろそろ夫であるノアの思惑で潰えようとして…
しかし、ぞんざいな扱いをしてきたノアと夫婦になることを避けたいレイチェルは執事であるロイの力を借りてそれを回避しようと…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる