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071. 雨に濡れても
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「私はきっと幸せの雨じゃないかと思うよ。
だって、虹は幸せの象徴とされてるじゃないか。」
「そうね。
でも、本当にそんな雨、あったのかしら?目の錯覚じゃないのかしら?」
「目の錯覚?
フィーネはずいぶんと現実的なんだね。」
祖母とフィーネはそんなことを話していた。
雨はどんどんフィーネに近付いて来る。
近くで見れば見るほどに、虹色の雨はその神秘的な美しさを際立たせる。
(……なんて綺麗な……)
こんな美しい雨が、怖ろしいものであるはずがない。
フィーネは、思わず虹色の雨に手を伸ばしそうになり、慌ててその手を引っ込めた。
(いけない!
もしものことがあったら、母さんが心配するわ。)
フィーネは雨を避けひさしの奥に引っ込んだ。
虹色の雨はフィーネの傍からなかなか離れない。
まるで、見て!綺麗でしょう?…そう言っているかのように、雨粒のダンスを見せつける。
(どうしよう…暗くなって来たわ。
母さん、絶対に心配しているわ…)
フィーネは意を決し、虹色の雨の中に飛び込んだ。
雨粒の塊は、それほど広い範囲を濡らしているわけではない。
走りぬけるのに、さして時間はかからない。
(大丈夫!何も起こらないわ!)
フィーネはいちごの香りの染みついた籐のかごを頭にかぶり、虹色の雨の中に飛び込んだ。
何も変わらない…身体に痛みが走ることもなければ、溶けることもない。
雨の範囲はほんの少し…もう走り抜ける。
(早く帰らなきゃ…!母さんが待ってるから…!)
だって、虹は幸せの象徴とされてるじゃないか。」
「そうね。
でも、本当にそんな雨、あったのかしら?目の錯覚じゃないのかしら?」
「目の錯覚?
フィーネはずいぶんと現実的なんだね。」
祖母とフィーネはそんなことを話していた。
雨はどんどんフィーネに近付いて来る。
近くで見れば見るほどに、虹色の雨はその神秘的な美しさを際立たせる。
(……なんて綺麗な……)
こんな美しい雨が、怖ろしいものであるはずがない。
フィーネは、思わず虹色の雨に手を伸ばしそうになり、慌ててその手を引っ込めた。
(いけない!
もしものことがあったら、母さんが心配するわ。)
フィーネは雨を避けひさしの奥に引っ込んだ。
虹色の雨はフィーネの傍からなかなか離れない。
まるで、見て!綺麗でしょう?…そう言っているかのように、雨粒のダンスを見せつける。
(どうしよう…暗くなって来たわ。
母さん、絶対に心配しているわ…)
フィーネは意を決し、虹色の雨の中に飛び込んだ。
雨粒の塊は、それほど広い範囲を濡らしているわけではない。
走りぬけるのに、さして時間はかからない。
(大丈夫!何も起こらないわ!)
フィーネはいちごの香りの染みついた籐のかごを頭にかぶり、虹色の雨の中に飛び込んだ。
何も変わらない…身体に痛みが走ることもなければ、溶けることもない。
雨の範囲はほんの少し…もう走り抜ける。
(早く帰らなきゃ…!母さんが待ってるから…!)
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